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【眼科コラム3】身近な薬が目に影響を与えることがあります。

皆さんこんにちは!
相変わらずの春日部中央病院眼科の多田です。
日常診療では難しいこともありますが、患者様に対して誠実をモットーに、日常診療を頑張っていきます。

さて、本日の話題は「眼と薬の関係」についてです。
実は、いろいろな薬が眼に重大な影響をもたらします。


抗がん剤による目の影響

まず皆様に覚えていただきたいのが、抗がん剤による目の障害は非常に多いことです。
抗がん剤は、比較的昔から使われている、シスプラチンやパクリタキセル、分子標的治療薬(例:イマチニブ:慢性骨髄性白血病に使用)、そして、一時話題となったオプジーポなども、実は、眼に障害があらわれることがあります。

抗がん剤治療をしている患者様は、眼に異常を感じたら、眼科を受診してください。早期発見により、眼の症状の重篤化を防げます。


馴染みのある薬が目に与える影響とは?

その他にも、いろいろな薬が目に影響をもたらしますが、比較的皆さんに馴染みが深いものをいくつか紹介します。


① コロナワクチン
目にブドウ膜炎(眼の中に炎症を起こす病気の総称)が生じることは、眼科医の中では、すでに世界的な常識となりつつあります。

② 避妊用ピル
目の血管が詰まり、視力障害の恐れがあります。

③ 糖尿病治療薬、ジャヌビア、アクトス
目の網膜に悪い影響を与えます。機序(仕組み)は不明。

④ バイアグラ
まぶしさ増強

⑤ 向精神薬、コントミンやメレリル
網膜への悪影響

⑥ 骨粗しょう症治療薬、ビビアント
網膜の血管が詰まる

⑦ 片頭痛治療薬、エルゴタミン
網膜血管のつまり、網膜浮腫



いかがでしたか?
薬は、体だけでなく目にも影響を及ぼします。
原因が不明な目の異常は薬が原因かもしれません💊

そのような場合は、眼科医に薬手帳をお見せください📝
全ての薬の副作用を網羅してはいませんが、できる限りの対策を取らせていただきます。

では、また来月にお会いしましょう。