春日華子「性」なる日記 yamatoくん

お金で人の時間を手に入れようとする自分に吐き気がする。
しかし、罪悪感はまるでない。
これが年齢の積み重ねからなのか、私の根っこなのかわからない。

予約を入れて、twitterのDMでやりとりをする。
そして場所と時間を見ず知らずの人と私の特徴だけを伝えて待ち合わせる。

待っている間、口から卵を吐き出しそうな緊張と気持ち悪さと、妙に冷静にどんな女かもわからずによく会いに来るなぁ。とヤマト君という子に感心してみたり。約束の時間より早めにつき、待つ場所の収まりどころを見つけながらウロウロ。ウロウロしながら男を物色しているように見られたくないと若干の羞恥心で壁際にもたれてみたり。

東京の夜景の中をクルマが走り抜ける姿を眺めていると
卵も生まれなくなったし、吐き気もなくなり・・・
私は肉体だけをその場に残し、空から走り抜けるクルマを眺めていたようだ。
その時。
「ヨウコさんですか？」と声をかけられた。
振り返るとどこにでもいる青年、ヤマト君だった。