野山の植物散策【5】
今回も初夏の頃に野山で出会った植物の紹介です。
少し標高が上がったところで見かけた植物を中心にまとめてみました。
※写真の時期や場所はバラバラです。
エゾタチカタバミ: カタバミ科
カタバミは庭でよく見かけるクローバーのような葉っぱの植物です。
普通カタバミは地面にへばりついていることが多いですが、山の道端でみかけたこのカタバミは茎が立ち上がっていました。
最近良く見かける帰化植物のオッタチカタバミかなとも思いましたが、調べてみたところ、オッタチカタバミのようにたくさん枝分かれしていないので、在来種のエゾタチカタバミとしました。
マンネンスギ: ヒカゲノカズラ科(シダ植物)
まるでスギの苗木のような姿をしたシダ植物です。
近い仲間にヒカゲノカズラという同じくスギのような質感のつる性シダ植物がありますが、こちらは這わずに立ち上がります。
マイヅルソウ: キジカクシ科(APG分類体系)
標高の高い山へ行くとみかけることが多いです。
小さな白い花、ハート型の葉っぱ、草丈も10cmくらいの可愛らしい植物ですが、群生していることが多いので目につきます。
秋に色づく赤い実もきれい🍒
きちんと拡大して見ていないので判別できませんが、葉の縁に微細な鋸歯のあるものはヒメマイヅルソウという近縁種になるそうです。
コフタバラン: ラン科
小さな葉っぱが2枚、対になってつくのでこの名前がつきました。
草丈10cmくらい、花も緑色でとても小さいので、花が咲いていても気がつかないかもしれません。
花を拡大してみると、人の形のようにも見えてとてもユーモラスです。
まるで、サンバ好きな妖精が人知れず踊っているみたい。
ミヤマエンレイソウ: シュロソウ科(APG分類体系)
他に見ないような特徴的な三枚葉の上に、ちょこんと実が乗っていました。
春に白い花を咲かせるのですが、今年は花の時期に出会うことができなかったので、また来年🌸
エゾノタチツボスミレ: スミレ科
スミレの仲間は早春に花を咲かせるものが多いですが、このスミレは少し遅れて初夏に花を咲かせます。
茎に葉っぱの付くタチツボスミレの仲間ですが、花の内側に毛が生えていて、草丈も30cmくらいになるのが大きな特徴です。
スッと立ち上がって咲く後ろ姿が凛々しい。
ヤマハタザオ: アブラナ科
草丈60cmくらいでひょろっと伸びた茎の先にいくつか白い花をつけていました。
写真には撮りませんでしたが、アブラナ科なので花びらは4枚、ワサビの花にも少し似ています。
シロバナヘビイチゴ: バラ科
名前にヘビイチゴとありますが、こちらはお店で売っているイチゴ(オランダイチゴ)の仲間で、ちゃんと小さな「イチゴ」の実がなります。
もちろん食べられます(甘みがあります)🍓
↓ 下の写真はシロバナヘビイチゴの実(後日別の場所で撮影)
オククルマムグラ: アカネ科
最初に見た時は、クルマバソウ(英名ではウッドラフというハーブ)かと思ったのですが、何となく雰囲気が違う。
調べてみるとよく似たクルマムグラという別の種類とわかりました。
(これは茎に下向きのトゲ状の毛があるのでオククルマムグラ)
庭でも見られるヤエムグラの仲間です。
オククルマムグラの葉は普通6枚輪生なのですが、中にはクルマバソウと同じ8枚輪生しているものもありました(紛らわしい😅)
ヤブニンジン: セリ科
ヤブに生えて葉っぱが人参ににているのでこの名があります。
セリ科の花は、どれも細かくて小さな白い花なので、慣れないと見分けるのが難しい印象です。
全国の林の縁や竹やぶに生えるそうなので、今回紹介した中では一番身近で見られる植物だと思います。
タガソデソウ: ナデシコ科
以前紹介したタガソデソウ(誰袖草)も花盛りでした。
僕は、少しカスミソウにも似た品のある花だと思うのですが、人によっては雑草のように地味な存在のようです。
下で紹介しているオオヤマフスマ(ヒメタガソデソウ)との共演はちょっとしたお花畑のようでした。
オオヤマフスマ: ナデシコ科
こちらも以前紹介した標高の高い山でよく見かける小さな白い花です。
最近、身近なところにも自生していることを知って、僕の中では気になる存在になっています。
ヤマツツジ: ツツジ科
全国の野山で普通に見られる代表的なツツジです。
花色は朱赤色から赤色、紅紫色と個体差があって、庭にもよく植えられています。
今回も、最後までお付き合いいただき ありがとうございました。
(ちょっと白い花が多かったですね)
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