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イメージの百人一首41「恋すてふ―」

※このノートでは、百人一首のご紹介をしています。詳細な訳や、古語の解説、詠み手の経歴などは他書に譲り、各和歌のざっくりとしたイメージをお伝えしたいと思っています。イメージをお伝えするに当たって、あたかもその歌を詠んだ歌人になったかのような気持ちで理解していただけるように、二人称を採用しています。どうぞ、お楽しみください。

【第41首】
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
《こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか》

 あなたは今、恋をしています。その恋はまだ始まったばかりであり、その人のことを思い始めて間がありません。誰にも知られるはずがない気持ちです。それなのに、あなたが恋をしているという噂が、早くも立ってしまいました。

 あなたは、周囲の人があなたの噂をしていることに気がつきます。なんということでしょう。あの人のことを思い始めたのもつい最近のことであれば、さらには、人に知られないように注意深く秘め隠していたのにと、あなたは驚きます。

 壬生忠見《みぶのただみ》

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