第2首 会えない花

※このノートでは、秋の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。和歌によっては、【ちょこっと背景解説】というパートがあるものもあり、そこでは、鑑賞する際に知っておくと、より深く和歌を味わうことができる知識をお知らせしています。

秋ならで 逢ふことかたき をみなへし 天の川原に おひぬものゆゑ
《あきならで あうことかたき おみなえし あまのかわらに おいぬものゆえ》(古今和歌集/藤原定方《ふじわらのさだかた》)

【イメージ】
 秋でなくては会うことが難しい。
 おみなえしの花よ。
 これほど会うのが難しいとは。
 天の川に生えているわけでもないのに。

【ちょこっと古語解説】
○で……打消接続を表す語。「~ないで」ほどの訳。
○かたき……元の形は「かたし」で、「難しい」意。
○をみなへし《おみなえし》……「秋の七草」のひとつ。夏から秋にかけて、枝先に黄色の花がたくさん咲く。
○天の川原……天の川の川原。
○おひ《い》……元の形は、「おふ《う》」で、生える、こと。
○ぬ……打消を表す語。「~ない」ほどの訳。
○ものゆゑ《え》……逆接を表す語。「~けれども」ほどの訳。

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