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政府と国民の信頼関係が強いデンマークの公共デザイン

デンマークに来るのは一応2度目となる。
前回は「フィンランド、スウェーデン、デンマーク、イギリス」の周遊ツアーで、多分デンマークは1日のみって感じだった記憶だから一応という表現をしてみた。

なぜか昔から北欧が好きで、日照時間が短い北欧の灯の文化とか、自然に溶け込むようなプロダクトデザインとか、ヒュッゲという言葉とか、そういった”北欧らしい文化”は自分の胸を刺すものがあった。

「今まで行ったことのない国に行きたい!」というのが本来の性格だけど、「行ったことあるけど、それでも!」という気持ちにさせられる、私にとっては特別なエリアである。
今回はチェコから思いの外近い事もあったけど。

行政がデザインの推進をバッグアップもしている、デザイン大国デンマーク。沢山のデザインを吸収したいという思いで到着した空港から目を奪われた。

うつくしいアールのカート。
色はモダンなオールシルバー。
(だけどこのカート、のちにバルセロナでも見かけた)

空間も、真っ白な床・壁に、ガラスに白色で塗られたサイン。
潔癖な空間デザイン。何かが違うという感覚だった。

トランジットで久々に降り立った、フランスのシャルル・ド・ゴール国際空港も言わずもがな良かったけど、デンマーク人の主張しすぎない控えめな国民性がデザインにも表れてると感じた。

成田空港に着いた瞬間、任天堂のキャラクター達が様々な言語で出迎えてくれるあの感じも好きだけど、やっぱり空港着いた瞬間からデザインに向き合う姿勢を感じられたデンマーク。

空港からすでに胸が躍った。

店舗のデザインがとても素敵なのは言うまでもないけど、公共のデザインが素晴らしいのがデンマークなのである。

代表的な例を、2つ紹介したい。

①街灯

日本で暮らしていて「わあ、街頭の光、素敵ね」って思ったことがあるだろうか?

私は夜の高速道路を走っている時、オレンジの1点の光が高速で流れる瞬間が好きだけど、特に街を歩いていて街頭の光を眺めた事はない。

デンマークに来て思ったのは、電信柱が無く、街頭の光がこだわりを持って存在していること。

これまた主張しすぎない、あくまで脇役の街の景観を彩るデザイン。
どこを切り取ってもアクセントとして主役を立たせてくれる。

少し脱線して、思い出したのが、庵野秀明監督は日本のあのゴチャゴチャな電柱がなぜか好きらしい。
電柱が随所に出てくる作品が多くて、それが何故かすごくいい働きをしている気もする。

まあそういった捉え方もあるよね、と思いつつデンマークの街頭は最高なのです。

色もまたあのビカーっていう白い光では無くて、暖かみのあるオレンジの光。

夜道は日本より少し薄暗く感じるけど、怖いみたいな感情にはならず、心がほっこりする感じ。
むしろあの白いビカーって光の方がなんだか怖さがある気がする。

ヒュッゲという言葉がとても似合う。

②図書館

海外の図書館に行く事が好きなんだけど、コペンハーゲンのBlack Diamond、行ってよかった。

『人魚姫』や『マッチ売りの少女』など、たくさんの名作が生まれたデンマーク。「本は国の宝」として、王様はアンデルセン童話などの大切に所蔵本を、黒く光る宝石箱の中にしまったそうです。
コペンハーゲン港のウォーターフロントに建つ、通称“ブラック・ダイアモンド”と呼ばれる王立図書館の新館。

引用:https://fika10.com/2020/denmark/dk_01_5.html

もう写真で十分この良さは伝わると思うんだけど、上から眺めても、下から眺めても、奥に入っても、手前にいても、360度うつくしい。

上から人の動きを眺めるのがこれまた楽しい。
新旧の建物のコントラストがとても見事だった。

こんな図書館だったら毎日でも来たい。
コペンハーゲンに生まれて、Black Diamondに行きたいが故に毎日通うようになって、勉強したり本を読んでたりしたら秀才になっていた人生があったんじゃないかと思う笑

国民と政府の信頼関係がとても強いデンマーク。なるほどー。

デンマーク公共のデザイン編でした。

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