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最初に買うならこの革靴

「革靴は最初に何を買ったらいい?」とよく聞かれる。
もちろん用途や好みのスタイルによっても違うし、直観で店頭で気になったものから入るのが1番だ。
ただ、漠然と「革靴いいなあ」と思っている方はそもそも用途もスタイルもわからない事が多いし、できたら1足でオンオフ含めて様々なシーンで履ける靴がいいのではないだろうか。
今日、ぼくがおすすめするのはそんな1足だ。その靴とは「黒の外羽根のプレーントゥ」である。

・外羽根と内羽根
まずは外羽根と内羽根について簡単に解説したい。

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外羽根とは上の写真のように靴紐を締めるパーツが靴の外側にむき出しになっている靴の仕様だ。この靴のようにつま先周りに装飾が何もない靴をプレーントゥと呼ぶ。2つの仕様を組み合わせてこの靴は「外羽根プレーントゥ」と分類される。靴はこのようにつま先の形状の違いで種類分けされるものが多い。
この外羽根のルーツは軍用ブーツ。そのため、基本はカジュアルな扱いとなる。
外羽根があればまた内羽根という仕様も存在する。

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内羽根は靴ひもを締めるためのパーツが靴と一体となっている仕様だ。
内羽根でつま先にはぐるっと1本の線が入っていることからこの靴は「内羽根ストレートチップ」と分類される。
内羽根の靴の原型は19世紀の貴族の室内用の靴。のちに儀式等で履かれるいわゆるフォーマルで履く靴だ。先日UPした記事で言及したフォーマルウェアには基本的に写真の「内羽根ストレートチップ」をあわせておけば問題ない。紐のパーツが靴と1体となっているため外羽根に比べて見た目がすっきりエレガントに見える。

簡単にまとめると「内羽根=フォーマル」「外羽根=カジュアル」となる。
靴は装飾が無いほどエレガントでフォーマルという扱いになる。よって紐靴でフォーマルの最上級の靴というと「内羽根プレーントゥ」となるし、一番カジュアルな靴は飾りの目立つ「外羽根ウィングチップ」となる。

・外羽根プレーントゥの汎用性
ここからは具体的に外羽根プレーントゥの汎用性の高さを説明しよう。
先ほど言及したようにフォーマルの最上が「内羽根プレーントゥ」。最もカジュアルは「外羽根ウィングチップ」とのべた。「外羽根プレーントゥ」はカジュアルな外羽根とフォーマルなプレーントゥの両面の要素を持ち合わせる靴なのだ。
この両方の要素のため着用できるシーンがかなり広い。(ちなみに内羽根ウィングチップになるとウィングチップの装飾が目立つのでフォーマルには用いる事が出来ない。ビジネスでの着用は全く問題ない)

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先のnoteでも紹介したが、昨今フォーマルウェアのドレスコードは簡略化されており。例えば、通常の結婚式であれば外羽根プレーントゥでも問題はないし。以前紹介したこの画像ではベッカムも外羽根プレーントゥを履いている。

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ビジネスではスーツからジャケパンまで多くの場面で活躍する。しかもシンプルな面持ちはスタイルや色柄を選ばず守備範囲も広い。

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アメリカ靴のようにちょっと丸みを帯びたプレーントゥを選べばカジュアルとも相性がいい。デニム、軍パン、チノ、さらには短パンにあわせてもいい。

冠婚葬祭からカジュアルまでこれほど守備範囲の広い靴はなかなかない。

・エイジング
もう1つ外羽根プレーントゥをおすすめする理由はつま先に装飾が何もないためエイジング(経年変化)が映えて抜群にかっこいいためだ。

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きちんと手入れされた靴は持ち主の足の形や歩き方に応じてどんどん変化していく。過度に酷使せずに履きこめば20年以上履けるものも珍しくない。しかも年月を重ねるごとにどんどんかっこよくなっていくのだ。このエイジングは革靴の魅力の一つでぼくはこれだけで酒が何杯も美味しく頂ける。


以上、ぼくが、黒の外羽根プレーントゥをおすすめする理由だ。革靴に少しでも興味があって購入を検討している方は是非この1足を手に取ってほしい。出来たら30,000円以上のしっかりした作りの革靴をおすすめする。頑強さとエイジングの楽しさを実感できるだろう。さらに興味を持った方は他のシューズを徐々に増やしていけばいい。そうしてあなたも靴沼にはまっていくのである。


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