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パンツの裾の処理問題考

パンツの裾の処理はいつも多くの悩みだ。

意外と奥が深い裾の処理問題。今日はぼくの中でまとまってきたセオリーや考え方について紹介する。

裾の処理の種類

裾の処理は3種類。(例外としてカットオフと呼ばれるいわゆる切りっぱなしもあるがここでは除外する)
シングル
ダブル
タタキ

・シングル

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シングルはまつり縫いという縫い方によってステッチがパンツの裾に現れない仕様だ。
この処理の仕方が1番フォーマルで、礼服の裾の処理はこの仕様になっている。ぼくは礼服しかシングル仕上げにしない。また、モード系のブランドのスーツはシングル仕上げが多い印象だ。ダブルよりもシングルのほうが裾がスッキリとした印象になるだろう。全体的にクラシック感を抑えたミニマルなスーツの着こなしを好むのであればシングルの方が相性がいい。

・ダブル

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ぼくのパンツで1番多いのはダブル仕上げだ。カジュアルからビジネスまで幅広いスタイリングに対応出来るのがダブル仕上げだ。
ダブルの方がクラシックな印象で重厚な革靴との相性がいい。ウールはともかく、コットン等のややカジュアルなスラックスをダブルにするかどうか悩む方も多いと思うが、僕はジャケパン等、シャツやネクタイを合わせるスタイリングがメインなのであればダブルで仕上げる。スーツでもセットアップと呼ばれるスニーカーやTシャツと合わせるものはタタキで処理されているものが多い。

・タタキ

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シングルとの違いはステッチが表に出るかどうか。デニム、チノパン、軍パン等のカジュアルの既製品は基本的にタタキ仕上げで処理されている。ダブルより軽快な印象になるため、カジュアルでスニーカーやスリッポンがスタイリングのメインならばタタキ。どちらかというと春夏はタタキの方が多い。カジュアルなパンツで裾の処理を決める場合、ぼくは3.0~3.5cmのタタキにする事が多い。このままロールアップするとダブルっぽく履くことが出来る。その日の気分によって折り返したりそのまま履いたり様々な着こなしが楽しめる。

困った時はBEAMSの中村氏のブログを参照しよう
中村氏はパンツのディテールで裾の処理の仕方を決めてるようだ。

中村氏も言及しているが、正解も不正解もルールも厳密には決まっていない。大切なのは各自の考え方だ。もっというと好みの問題でもある。欲しいパンツをどう履くか、どんな靴を合わせるか、裾の処理をどうするか、こんなどうでもいいけどどうでも良くない問題で悩む時間は実に心地いいではないか。

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