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沈黙 /遠藤周作 を読んで

踏むがいい。踏むがいい。お前たちに踏まれるために私は存在しているのだ。
ーこれは、ロドリゴが棄教するときにイエスが彼に言った言葉であるが、この時にイエスは沈黙していたのではない、共に苦しんでいたんだと感じた。神とは人を救う者か、それとも孤独に光を差す者か、そもそも人間なのか。様々な問いが交差し、日本人にはあまり馴染みのない信仰の意味を考えさせられる傑作だった。所々、残虐な描写が描かれているが、神を信じ、己を捨てる行為そのものは、美しく敬うべきものだ。

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