【27　スポットライトの悲劇】#柏木知夜フリー作詞チャレンジ

いつからだったか
憧れた
轟く声と躍動
溢れる拍手
たくさんの光

包んで欲しかった
花束を受け取りたかった
でも 私の手に
一輪だって咲かない
薄汚れ

知ってたの？
あれは泡沫の夢
多くの人の虚像
流れるはずの時間
生まれるはずの気持ち
上等な席に座って
眺めるの

ああ　きっと
私は選ばれない
これからも
不合格

今度を夢見て
取り繕って
それでも
今度は来ない

何度めの
カーテンコール
もう分からない
ただの笑み

不要の烙印は
カラダじゅう
声も手首もふくらはぎも
いらない
いらない

あなたの物語も
あなたの姿も
醜いの
くしゃくしゃって
トラッシュ

貼り付けて
それっぽく
それでもよかった
よかったから

小手先足先
知ったかぶりで
文字列をなぞれば
よかったから

だからいらない
もういらない
この世界にさよなら
お別れを

血の一滴さえ
残さずに
私の容器から
溢れてく

きっとこれは
涙
幾人もの
なりそこない

美しい女優が
血を浴びて
それで笑えるなら
もうそれで