2021.12.31

今年が終わりかけている。

祖母の家で、具がネギだけのシンプルな蕎麦と、海老天を別皿で食べた。衣が海老より2回りも大きかったので剥がした。25才の体にサラダ油は大敵だ。その代わり、甘酢につけた大根はしみじみ美味しく感じた。体が喜ぶものは変わるね。
とうとうアラサーかよ、と弟に言われた。

年末だけは何となく観るようにしていたテレビ、今年は全く観る気力が湧かない。椎名林檎が好きなので、彼女が紅白に出る年は必ず観ていたのに全く興味がなくなってしまった。
今年もコロナの影響で親戚が集まることもなく、連日飲み会続きだった弟はすでに寝ていて、祖母はお雑煮を作っている。だからテレビは誰も見ていない。大晦日の浮足だった雰囲気は、テレビの影響が大きかったのだなと思う。

暇になりSNSを開くと、今年を振り返る投稿が怒涛の勢いで更新されていた。私も今年を振り返ってみるかなという気持ちになり、ようやく交換日記の存在を思い出した。柏が更新してるの気づかなかったよ、ごめん。

2021年は制作欲に対して具体的に動けた年だった。
4月の終わりに美学校の修了展があり、初めて作品を展示する体験ができた。DMの絵まで描いた。
油絵を使うのはほぼ初めて、作品を完成させる経験も初めて、絵を見せるためにどう展示したら良いか考えることも初めて、何もかも初めてで楽しかった。私の絵がどうであれ、描き続けたいと素直に思った。展示について深く語ることはないけれど、描く日々を送るために必要な通過点だった。

その後はしばらく仕事に勤しみつつ、自分の人生についてあれこれ考えていた。

そして長く付き合っていた恋人と別れた。
陽が差し込む部屋、起きがけに聴いたギター、ホラー映画の物真似、両者譲らない喧嘩、全てを一気に手放した。誰も何も傷つけたくなかった。自分に自信がなかった。たくさん食べていたのに、少し痩せた。

その後も泣きっ面に蜂というのはこういうことか、という出来事が次々と起こった。初夏から秋にかけて辛かったな。まあそれは語らなくて良いです。

寒くなってきた頃、徐々に回復してきた私は、継続的に制作できる場所を探し、アトリエを借りる決意をした。
普通のOLで、美大卒でもなく、作品を沢山作ってきたわけでもない素人が、いきなりアトリエを借りるのは厚顔無恥も甚だしいか?と思っていたけれど、アトリエメンバーが優しく迎え入れた。そのおかげでかなりゆとりある気持ちで制作時間と場所を確保できた。本当にありがたい。
引き続き昼間は働き、夜はアトリエで絵を描く生活。シンプルに楽し〜幸せ〜と思っていると、運良く絵の仕事もいただいた。一晩中アトリエで制作し、ヒーヒー言いながらも何とか納品を終えた。その間もアトリエメンバーにたくさん助けてもらった。
素人だからとか言ってる場合じゃねーと改めて思う。謙虚でいることは大切だけど、素人という前置きをして護りに入るのは卑しい。どのような状況であれ、作品と自分に対して誠実でなければならないと反省した。

そしてあっという間に12月になった。
早い。
そして何と今は1/1の午前2時半。
祖母と弟はもう寝ている。私もそろそろ寝なきゃ。振り返りも程々にして、新年は前を向きたい。
2022年は、自分の武器を見つける年にする。

それでは、今年もよろしくお願いします。
良い年にしようね、柏。

もち

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