教育実習で生徒の日記に思ったこと

生徒の日記が面白い

生徒の日記を毎日確認する。これは、私の性に合っていた。

本を読むのが好きだし、何かを書くことも好きだし、そもそも、読むのも書くのも早い。

同じ実習生は2時間使って生徒のコメントを返していたが、私はだいたい30分くらいで終わる。(有能)

話しかけるのは無理なんだけど、正直この日記で生徒との距離は縮まったと思う。ありがたい。

「話しかけてもらうのを待つな、話しかけろ」「話しかけてくださいっていう自己紹介は何様なんだ」という有難いお説教ももらったが、いや、無理だし!

どんな話題を提供すればいいんだよ!?

同級生にすら話しかけないのに! しかも子供たち、「好きな芸能人は?」とか聞いてくるし。いや、テレビ、持っていたことないから知らねえよ! 

一応米津玄師ってことにしといた。

閑話休題。本題に戻す。

生徒の日記は面白い。特に、あんまり書くのが得意じゃないんだろうなって子の内容が面白かったりする。

「今日は暑かった。暑いにも色々あって、ベタベタする感じとか、サラサラな感じとか、苦しい感じとかあるけど、ベタベタする。まだそんなにエアコンつけるほどじゃないなーって思う。ねぐるしくて、エアコンつけた。」

全くこれってわけじゃないけど、こんな感じ。良くない!?!? 

大人なら「湿度が高い」で終わったり、日本の夏は蒸し暑いとかそんな風に言うのに、感覚的に表現してるんだよ!?

しかも、エアコンつけたくないって言ったのに、結局つけるんだよ!? 意図してないからこそ面白い!

彼らは彼らなりに発見があって、それを精一杯言語化してるんよ!? 良い。

あと、表現がチグハグで面白い。やたら大袈裟になったり。ひらがなばっかりの文章なのに、急にかっこよさげな言葉があったり。

「きょうは爆発的にきんちょうしました」とか。

え、爆発的ってなんなの!? でも、「きんちょう」はひらがななんだ。とか。

本当にみんなの日記が面白くて、個人的に最大級の褒め言葉「表現が面白い」を言いまくってた。

本心から面白かった。

あと、この日記チェックで子供の気持ちを掴んだ。

基本的に褒めてしかないないし、たまに教訓的なことを書いたりしたけど、ポジティブな言葉遣いを目指したから、嬉しいって思う子が多かったんじゃないかな。


だって、忘れ物しても「しょうがないね〜」としか言わなかったもん(多分)。先生は結構怒るけど。

大学の先生が「僕、発達障害って最近わかって、今まで色々忘れちゃうのをすごく責めてたけど、しょうがなかったってわかって、楽になった」って言ってたんだよね。

たしかに忘れ物は困るけど、そんなにめくじら立てないでもいいんじゃないかなって思う。

あと、学校来ると体調崩しちゃう子。

こればっかりはしょうがない。

「体調崩しちゃったのが、最近の失敗です」とか言っていたので、ああ、こんな風に仕方のないことを責めるようになったちゃったのは本当に気の毒だなって思った。

そうなんだよね。学校行ってみて、「頑張らないと」とか、「全力」とか、そう言うことばっかり子供も大人も言ってるのを聞いて、すごく違和感があった。

頑張らないそのままの自分も認めてあげればいいのに。

中学生なら頑張れば大抵のことはなんとでもできると思うんだけど、どうして本人がやりたいと思ってもいないし、個人的には全然頑張る必要もないようなことまで「がんばれ」ってならないといけないんだろう。

怠けるから? 色々わからなかった。

閑話休題(再び)

まあ、そんなこんなで、適当なことを言って、聞いて嬉しい言葉、とにかく褒める、感謝をする、をし続けました。リフレーミングもさせて、生徒の言葉を自分もしまくりました。

しかし、ある日先生は言いました。

「口だけじゃダメです。行動で示さないと」

ごめんなぁ。私の言葉は本心なんだけど、全部口先だけなんだよ……。

何かをしてくれませんか、と言われたら、多分断る。めんどい。

時間外労働反対。


全部、相手が聞いて嬉しいだろうなって言葉に言い換えてるだけなんよ。口先で。ごめんなぁ。


まあでも、そんな私に騙されて(?)、結構最後の色紙には「しっかり日記を見てくれて嬉しかった」ってあった。

よかった。学校嫌いだけど、まあ、みんなが嬉しいって思ってくれるんなら行ってよかった。

それから、行動にしか意味がないって思ってるかもしれないけど、言葉にも力があると思うよ。

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