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【リスペクトというまやかし 僕はその昔1】

🐱書きやすいので一人称は僕で書きます。

1、僕はその昔、研究者だった

僕はその昔、ある論文を書いて提出した。
提出先は当時その世界では注目されていた。

その提出先の媒体に恩師と僕の書いた論文がともに載る。夢のような話だった。必死に書き上げた。

編集者から「いやぁ君は若いのすごいなぁ。尊敬するよ。ガハハハ」と持ち上げられた。有頂天になった。正直嬉しかった。

その媒体は店頭に並ぶものではなかったけど、その世界では特に注目されていた。自分で言うのも烏滸(おこ)がましいけど、当時の流れからいって脚光を浴びることは間違いなかった。

しかし、いつのまにかこの話は立ち消えになった。
理由は知らされなかった。

こういうことは大人の世界ではたまにあることなのかなと僕は悔しかったけど我慢した。大人の事情の一言で片付けられたけど僕にはどうすることも出来なかった。

その後、僕は書いた論文を他の媒体に載せるべく奔走し恩師の許可を得た。

だけど、編集者から原稿は返却されなかった。
なすすべもなく時間だけが過ぎた。

僕の書いた論文の骨子は多少の違いはあれ、その後Aさんが発表した。その論文は脚光を浴びた。

それもその編集者のいた出版社からだった。勘繰った。

この世界は先手必勝。持論を曲げてまで迎合することに嫌気がさした。僕はこの世界を離れる決心をした。

夢のような話は夢でおわった。

…っていうお話。

[投稿にあたりfeaturecompassさんのイラストを使用させていただきました。ありがとうございます。]

20240217

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