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大学デビューと式守さんと高校時代への郷愁と。

 はやいもので四月も半ば、前回の記事から二週間ほどが過ぎた今日この頃。
  お気に入りの真っ赤なダッフルコートは急激な気温の上昇によってクローゼットの奥に幽閉され、春を象徴する桜はいつの間にか満開を迎え、四月上旬の雨によってその花を散らしていました。
 無職鬱を拗らせて、春夏秋冬朝昼晩をベットの上で体育座りをして過ごしていたぼくもこの春から大学生。
 3月に行った大金を溶かして行った大学デビューの準備も、snsを駆使して手に入れた同回生たちのⅬineも、みなこの4月のための下準備だったわけですが……

なぜか未だに友達ができない。

 無職期間が長かったためか、友達を作るのがうまくいかない……。
 会話ができないタイプではないのです。むしろその逆で、自分は初対面の相手とは割り切って明るく話すことのできるタイプ。

では、なぜ友達ができないのか?


 それは簡単に言えばぼくが「最初だけめっちゃテンション高くて仲良くなったけど、次に会ったときはなんかめっちゃ暗くてその後の学生生活で徐々にフェードアウトしていったあいつ」のタイプだから。
 コミュニケーションは疲れる。それが特に知らない人や、あまり仲の良くない人とのものであればなおさら。それを何とか我慢して、己の中の最大のコミュ力を振り絞って会話をするのが初回。
 2回目からは初回のようにある程度パターン化された話題がない、それに初回のように必死になってするコミュニケーションがこの先も一生続くのかという不安が脳裏をよぎる。それでうまいこと話せなくなるのです。

 そんなわけで今日も友達ができず、一人渋谷のマックでパソコンとにらみ合っているわけです。

 さて、友達ができず、ぼうっとしているだけのぼくの放課後や休日の過ごし方は当然アニメ鑑賞なわけですが、最近はスパイファミリーや盾の勇者、かぐや様にカッコウなどの良作が毎日のように更新されるため、不思議と退屈はしないのです。
 漏れには二次元美少女がいる、それだけでいい。
 中でも「可愛いだけじゃない式守さん」には放送前から注目していたのですが、いざ視聴してみると期待していたものとはまた違う衝撃を受けることに。
 テレビをつけて視聴すること数分、そこには見たことのある風景が広がっていました...…僕の母校です。

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 東京の郊外に位置するその高校は少し特徴的でして、一般的な高校に比べて窓ガラスの面積が大きく、夏は暑くて冬は寒い。学校の北側には河川敷が広がっており、目を閉じれば若い男女が夕暮れ時に自転車を押して歩いてる光景が浮かんでくるようで……青春の香りがする‼
 まぁ、うちの生徒の9割はひねくれたオタクだったので、そんなキラキラした青春なんてものとは無縁だったんですけれども。
 不思議なもので、あんなに文句を垂れていた欠陥校舎も、式守さんを通ししてみるとキラキラ輝いて見えます。寒々しく見えた下駄箱や廊下はカラフルに装飾されており、地獄の長距離走が行われた校庭ではopの中で式守さんたちが楽しそうに笑っています。
 おかしい、漏れたちの青春はTwitterとソシャゲで心まで灰色だったというのに......。


 式守さんを通して自分の母校を眺めていると、あんなに灰色だった高校生活もなんだかそれなりに美しかった気がしてくるんだから不思議。だらだらとアニメやインターネットの話をしながら過ごした学生生活も今や昔。
 一話が終わるころには懐かしさでいっぱいになり、高校時代の友人たちと繋がっているTwitterを衝動的に開いていた。
 しかし、そこには文字からキモオタがにじみ出ている魂までオタクに染まりきった彼らのねとついたツイートが待っているのでした....。
 そんなニチャニチャした文章を読んでいると
「アニメキャラが大人になっても仲良ししているように、キモオタたちもまた、大人になってもSNSという地獄で死ぬまで仲良しするんだろうか?」
なんて怖いことを連想してしまって将来が不安になってしまった。

 そんなわけでぼくの大学デビューは失敗に終わり、桜は散り、相変わらず友人のキモオタたちは元気で、ぼくの生活も少し外に出るようになったというかんじに落ち着いたのでした。

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