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#2 「RAM」 - 逆風は当たって打ち砕け【Paul McCartney Album Review】

今回のアルバムレビューは、
ポールマッカートニーの2枚目のソロアルバム「RAM」です。

基本情報

オリジナルリリース 1971/5/21

  1. Too Many People

  2. 3 Legs

  3. Ram On

  4. Dear Boy

  5. Uncle Albert/Admiral Halsey

  6. Smile Away

  7. Heart of the Country

  8. Monkberry Moon Delight

  9. Eat at Home

  10. Long Haired Lady

  11. Ram On (Reprise)

  12. The Back Seat of My Car
    Total Time 44:10

前作「McCartney」から約1年後に出たアルバム。
ソロ第1作となった前作は
ビートルズ解散による衝撃の余波でコテコテに叩かれましたが、
1年経ってもまだ逆風は止んでいなかったようです。

レビュー

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10/10)

初めて「McCartney」を聴いた時は
あ、いいなぁとじんわりその良さを噛みしめましたが、
この「RAM」は初めて聴いた時
なにこれメッチャいいじゃんと思いました。
基本姿勢は引き継ぎつつ、練度が上がったというか、
バラエティ豊かな曲が揃っていて飽きさせません。
まだすべてのポールソロアルバムを聴いたわけではないですが、
暫定1位は今のところ「RAM」です。

ミュージシャン経験の全くなかった奥さんが結構な割合で参加しています。
それもあってか「Paul & Linda McCartney」名義で出てるんだよね。
結構好きです、リンダの歌。

楽曲解説

以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。

Too Many People

「やることを説く人多すぎ」と、
かつての盟友であるジョンに向けてのメッセージだった曲。
音楽活動よりも愛だの平和だの言っているのが
「うそくせー」と思ったかららしいです。
まだビートルズ解散後のいがみ合いが続いてるんですね。

(ビートルズに詳しい人なら言うまでもなく知っているかとは思いますが、
ジョンはこのメッセージに対して「How do you sleep? (寝れてるか?)」という
アンサーソングでやり返しました)

3 Legs

「3本足じゃ犬は走れない」とか
「蝿の足はだいたい3本だけど、うちのは1本だ」とか
珍妙なタイトル、珍妙な歌詞ですが、
どうやらビートルズ末期に孤立していた自分のことを歌っているみたい。

Ram On

ウクレレとエレピが特徴的な曲。
かしまさはウクレレをやってみたいとずっと思っているのですが、
初めて練習するならこの曲をまず弾いてみたいです。
コード4つ覚えれば良いみたいだし。

Uncle Albert/Admiral Halsey

ポールはメドレー形式ホント好きだよね。w
いろんなSEやオーケストラが出てくるしっとり目の「Uncle Albert」と
突き抜けるようなボーカルラインと
テンポチェンジが楽しい「Admiral Halsey」の対比が素晴らしい。
「Uncle Albert」に入ってる雷鳴のSEがなぜだかすごく好き。
ズバァーン! て感じで。w

Smile Away

ファズの効いたベースが特徴的なゴキゲンな曲ですが、
「お前の足や口がくせー」とかいう奴は笑い飛ばせ! と歌っています。
まだやっぱり世間的には「ビートルズを終わらせた男」のままなんですよね。
1マイル先(a mile away)とsmile awayの韻の踏み方が好き。

Monkberry Moon Delight

韻の踏み方といえばこの曲ですね。
終始言葉遊びで構成された曲。
あとリンダの歌がいちばん目立っているかもしれない。

Eat at Home

何だか耳に残って、気づけば好きになっているような曲。
ちゃんと聞いてみると結構エッチなこと言ってる。w

The Back Seat of My Car

オーケストラアレンジで壮大に仕上がっていますが、
「ドライブデートに行って、車内でイイことしてたら
彼女のお父さんに『そういうの良くないんじゃない?』って
小言を言われてしまって、
『いや、かくれんぼです。何もやましいことはないっすよ』と弁解する」
という若気の至りのような歌です。でも好き。

まとめ

一時は意気消沈していたポールが、
世間に対して「うるせー」と言えるくらいには
やる気を取り戻していることが伺えるアルバムですね。
何回も繰り返して聴きたくなってきます。

それでは、かしまさでしたー。

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