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”新人類”世代#掲示板から始まるスリリングだった国際交流(2)

国際会館の掲示板にて実施される
”エクスチェンジ”というシステムに、

”日本語教えます。英語を教えてください。”
26歳 女性 電話番号******

と掲示。
最初は、ロシア男からの申し込みでした。
次の電話は、南アフリカの男です。


南アフリカの男

彼は、南アフリカ共和国出身
の白人男性でした。

東北大学の助教授として日本に来たと
いう事です。
前回のロシア男と同じです。

私は英語を教えて欲しいと
言い、
英会話の中で英語が上達するから。
という彼と話をしました。

彼は、車を運転していました。

会話の場所は覚えていませんが、
おそらく、喫茶店かどこかです。


南アフリカ共和国と言えば、
”アパルトヘイト”しか思い浮かばす、
婉曲表現ゼロの英語しか
出来ない私は、
”アパルトヘイトについてどう思っているか?”
ド直球の政治的話題をふってしまったのです。

彼は熱く話ました。
”アパルトヘイト”がないと、住むのに危険だ。
悪い制度ではなかった。
というのが彼の主張です。

急にナチュラルスピードになった
英語に殆ど詳細は、
分かりませんが、
”友人が黒人に囲まれた。”とか、
”そして、ガンで脅された。”とか、
”アパルトヘイトがなくなったからだ”とか

なんとか聞き取れる単語で私が
理解した内容です。

必死ながらも、
私も発話しなきゃと、
”彼は〇〇”という感じの話を
するや否や、
”彼であれば、”s”を付けなきゃだめだよ。”
”ビコーズ、三人称単数だからさ”

と注意。

また、頑張って発話。
即、指導
”その単語は、間違っている。”
”ビコーズ、過去形だと単語は形が変わるんだよ”

彼は、間違っていません。しかし、
”話したい事は、わかるじゃん!”と
内心思います。

それに、彼の指導内容は、
”三人称単数”・”過去形・過去分詞”など、
書く・読む英語であれば、
”間違わない”
ケアレスミスなのです。

まさに、英会話が出来ない
日本人世代
の典型です。


そして、彼は交通ルールは守りません。
”止まれ”でも止まらないのです。
そして、”止まれ”だよ。と言う私に、
大丈夫さ。ビコーズ、僕は外国人だから
日本語は分からないから。”
と平気な顔で言うのです。

私は”ビコーズ”恐怖症になり、
会話が苦痛になり無言になり解散。

数日後、
南アフリカのビコーズ男から
ジムに行こうとお誘いの電話。

何故、皆さん、ジムに行きたがるのか。
不思議です。

私は、
”彼氏と用事があるかもしれないから、
今は予定が分からない”と答えました。

彼から二度と誘われなくなりました。

救世主

その話を聞いた友人の友人の
宣教師アメリカ人は教えてくれました。

あの掲示板は若い女性を狙う外国人が
チェックしているのだと。

2人が”東北大助教授”で
2回目のお誘いが”ジム”というのは、
偶然ではなかったのかもしれません。

今すぐ、辞めろ。と。
そして、オーストラリアから日本語を
勉強しにやってきた日本語教師のアンさんを
紹介してくれたのです。


アンさんは、偶然にもご近所さんで、
私の母と近い年齢。

それから、アンさんが日本に滞在中、
1時間は、英会話。
1時間は、日本語で会話。
という私の念願のエクスチェンジ
をする様に
なりました。

アンさんは、日本文化を絶賛、日本語が上手く、
私の母や祖母や叔母とも仲良くなりました。

まさに、救世主。

ロシア男と南アフリカ男がいなければ、
会えなかったかもしれません。

今思えば、2人にも感謝です。

しかし、私の娘には絶対に
真似して欲しくありません。

あくまでも、古き良き時代。
平成初期の話なのですから。

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