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Google発SIY体験 第4日目

第4日目は先週の体調不良が回復してきたためリアルタイムで参加できました。対話含めてコミュニケーションできる場は学びが深まりますね。


サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)概要

前回までの記事もご参考まで

https://note.com/kashihonya_moto/m/m267f4af32a7b

4日目の学び「モチベーション」

4日目講義は「モチベーション」にフォーカス。
モチベーションの源泉となる自己のコンパス、自分のビジョンを探索するワークを実施。
「学習する組織」では、「自己マスタリー」という一つの柱として紹介される。学習する組織をご存知の方は、「自己マスタリー」で紹介されるワークをイメージしてもらえば良いだろう。
今回は、価値観、ビジョン、回復力という切り口でモチベーションを説明。

価値観

まずは、自身の価値観を探索するにあたり、心理的ウェルビーイングの5つの主たる要素の紹介。

ポジティブな感情 Positive Emotion
没頭できること Engagement
人間関係 Relationships
(生きていく)意義 Meaning
達成 Accomplishuments

心理的ウェルビーイングの5要素”PERMA”

ポジティブな感情:を考える際に現在の自分を考えることも意味があるが、源泉となる原体験を思い出すのはより道標となるだろう。
幼少の頃どのようなことに興味を持っていたか。どんなことを楽しいと思っていたか。ポジティブな感情を抱いていた行動や様子、没頭していた感覚を思い出すと自分でも忘れているような源泉に触れることができるかもしれない。
没頭できること:
フロー理論というものが存在する。下図のようにスキルレベルとチャレンジレベルの相互作用で生まれる没頭している状態のことをフローと呼んでいる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC_(%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6)

求められるスキルレベルが高くチャレンジレベルも高い場合にフロー状態が生まれるとされている。
非常に興味深い話だ。フロー理論の提唱者のチクセント・ミハイ氏は、フロー状態を作り出すことが幸福につながると考えている。
没頭して何かを成し遂げようとしていて、それが自身の求めるアウトプットにつながっているとしたら幸福な体験をしていることになるだろう。
フローに入る条件を次のようにまとめている。

1.目標の明確さ(何をすべきか、どうやってすべきか理解している)
2.どれくらいうまくいっているかを知ること(ただちにフィードバックが得られる)
3.挑戦と能力の釣り合いを保つこと(活動が易しすぎず、難しすぎない)
4.行為と意識の融合(自分はもっと大きな何かの一部であると感じる)
5.注意の散漫を避ける(活動に深く集中し探求する機会を持つ)
6.自己、時間、周囲の状況を忘れること(日頃の現実から離れたような、忘我を感じている)
7.自己目的的な経験としての創造性(活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない)

チクセント・ミハイ「クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学」


人間関係:人は社会的動物と言われるように、人とのつながりなしには生きていけない。人同士でつながりコミュニケーションが、心理的な満足やウェルビーイングにつながることは間違い無いだろう。
個人個人がそれぞれの考え方や見方を持っているうえ、自分自身ではその違いには気づきにくい人本来の特性に依存しているようにも感じる。
つまり、自分自身を客観的に見つめるマインドフルネスの訓練でも限界があり、他の人の視点で意見を聞いたりコメントしてもらうことで、新たな自己の発見や自己理解、自己承認につながり小さなアハ体験が生まれている。その心地よさが必要不可欠でウェルビーイングにつながるのではないだろうか。
意義:
意義は、シンプルに考えると、意味があると感じられるか、楽しさや面白さを感じられるか、将来につながるものとして感じられるかを意味する。
生きていく意義を考えることは、究極的には「生きがい」についてだと捉えると、精神科医の神谷美恵子さんの書籍「生きがいについて」は外せない。
英語で"On the Meaning of Life"と訳される。"生きがい"を表す言葉は英語圏には無いらしく、"ikigai"という単語が英語圏でも浸透しつつあるそうだ。
この書籍では、「生きがい」と「生きがい感」の別を紹介し、考察が深められていく名著だ。

生きがいという言葉の使い方には、ふた通りある。この子は私の生きがいです、などという場合のように生きがいの源泉、または対象となるものをさす時と、生きがいを感じている精神状態を意味するときと、このふたつである。このうち、あとのほうはフランクルのいう「意味感」にちかい。これをここでは一応、「生きがい感」とよぶことにして、前の方の「生きがい」そのものと区別して行きたい。

神谷美恵子「生きがいについて」

”ikigai”という日本語は「利他的に社会に貢献することを通して感じる幸福感」というニュアンスで欧米に伝わっているようだ。
ikigaiベン図も参考になるので作図してみた。

こう考えていくと、意義もさまざまな考察ができそうである。
達成:
幸福について批評家の若松英輔さんに解説いただいた時に、
「真の幸福とは過程そのものに付随する」という言葉をいただき、ハッとさせられたのを覚えている。
特に私たち(世代)は、何かを達成したときに幸せになれるという価値観で育ってきた世代だ。
受験に成功したら、いい大学に入ったら、いい会社に入ったら、良い未来が待っている。そう言い聞かされて育ってきたように思う。
しかし、努力して受験に成功したとしても、そこで得られた幸福感は一瞬のもので、継続的に幸福だったかと問われると答えに窮してしまうのだ。
本来、幸福感を味わうことは、やっている最中まさに行動のその瞬間に幸福を感じるもので、やっていること自体に意味を感じているはずだ、というのが若松英輔さんの言葉の意味である。
上記のエピソードは手段を目的化してしまったり、意義を明確にしないままの達成よりも大切なものがあるよ。との考え方を示してくれたものだと思う。
達成を重ねていくことが充足感や、やりがいを感じさせウェルビーイングを向上させるのも真実だが、意義や目的を見失わないことがより大切なことなのではないだろうか。

価値観のワーク

価値観を探索するためにワークを実施。
尊敬する人を3人挙げるというワークだったが、このワークはGoogle Re:workでチームの価値観を探索するワークとしても紹介されていたので2度目だった。

・あなたが尊敬する人を3名選ぶ
・それぞれの人について、 尊敬する特徴と、 どのような状況でその特徴が示されたかを書く

SIYプログラム

私が尊敬する人物として挙げた人は前回と一人変わっていた。
稲盛和夫さん
ピーター・センゲ
今回恩師←前回スティーブ・ジョブズ

前回はスティーブ・ジョブズを挙げていて、今も尊敬する人の一人であることは間違いないが、今回はより近い恩師が先に浮かんできた。
より人がらを感じられる身近な方や足元感に関心が移ってきているのかもしれない。
共通すると感じた項目は以下
・先駆的で時代に流されない真のリーダー
・物心両面を掲げるなどバランス
・実践力
・人がら
・伝える力

ビジョン

ビジョンのワーク

下記のお題でジャーナリングを行うワークを実施。
学習する組織では、自己マスタリーで行うワークとほぼ同じもの。
ビジョンとは、”目を瞑るとまぶたの裏に浮かんでくる憧憬”で、何度でも思い描いてよいものだ。
大事な人との別れのときを想像するのも自身のビジョンを作るのに役に立つ。

あなたのこれでもかというほど最高の未来は?
今日から人生の全てが、 自分の一番楽観的な期待を満たしたり、超えたりしたら、5年後、私の人生はどうなっているか?
• あなたは何になって、 何をしているか?
• どんな気持ちか?
• 人々は、あなたについて何と言っているか?

SIYプログラム

今回ワークを行ってみた感想
以前行ったビジョン作成のワークと骨子は変わらなかったものの、微妙なニュアンスが変わった部分や、あらためて思い出した部分もあり再度確認しながら、気持ちを新たにすることができた。
内容を他の方に共有することでの気づきもあり、もっとわかりやすく伝えられるようにブラッシュアップする必要も感じた。

ミニ実践法

椅子に触れる
1. 椅子の座面に触れる
2. 最も大切な意図を思い出す

SIYプログラム

椅子に触れることをトリガに大切な意図を思い出すというミニ実践法。
これを癖付けると良い習慣になるに違いない。

回復力

レジリエンス(回復力)とは落胆や困難、人生における災難さえにも向き合い、そこから回復する能力である。
上手に、効果的に、品位を持って、これらに対処することは可能である。

SIYプログラム


モチベーションを保っていくためには、日々降りかかってくる困難や落胆と向かい合う必要がある。調子のいいときにモチベーションが高いのは多くの人が感じることで大差が生まれないとすると、いかに困難や落胆を乗り越えていくのかが、人間力が問われ回復力こそがその人の真価が問われるように感じる。

回復力の3ステップ

1. 内面の落着き
2. 感情の回復力
3. 認知的回復力

SIYプログラム

理論的には、上記のようなステップで回復できるとのことだが、本当に嫌なことがあると、何度落ち着かせても押し寄せる波のように、ふとした瞬間、なにかがきっかけとなって嫌な感情が押し寄せてくるものである。
寝落ちする瞬間にふと嫌な感情が湧いてきてうまく眠れなくなる時は最悪で、それが原因で不眠を引き起こすこともあるだろう。
そんなときにマインドフルネスを行って3ステップを行うことは、詰まるところ自分の気になっていることから注意を逸らして、忘れるための技法だと言えるのでは無いだろうか。
呼吸に集中するにしろ、今ここに集中するにしろ、自分が気になっていることから意識を逸らして別のことへ意識を集中することを意味している。
つまりは、忘れる技術だ。1番の処方箋は、別のやるべきことが見つかってそこに意識を向けていくことだ。
今ここに意識を高めていくことができれば、過去のことよりも今と未来のことへ認知リソースが割り振られることになる。
すると自然、過去のことを考えることが薄れて次へ進めるわけだ。
とはいえ嫌なことがあった時は、マインドフルな時間すら取る気が起きなくなる。
それを乗り越えるためには、習慣化することで、嫌でもマインドフルな時間を取るようにして、それをきっかけに嫌な感情を乗り越える成功体験を作ることが大事なのでは無いだろうか。
一度でも、うまくいった経験ができればしめたもので、次からは対処法として確立できるはずだ。
一度は騙されたと思って信じてみるのも無意味では無い。先人たちがそう伝えてくれているようだ。

レジリエンスのワーク

自分で描いたビジョンに対して、よく無いことが起こったことを想定して下記をの項目を想像するワークを行った。

1 どんな状況?
2 悲観的なスタイル
3 楽観的なスタイル
4 何に気づいたか?

SIYプログラム

このワークは、IDGsのツールキットで紹介のある、WOOPと非常に近い感覚を受けた。
WOOPでは、障害となりそうなことをあらかじめ想像するプロセスがある。
障害を想定して、ネガティブなことが起きることをあらかじめシミュレーションしておくため、実際にネガティブな事象が起きた時に構えができている分だけ心に余裕が生まれる。
心の余裕は、感情や認知の回復を助けてくる。
理にかなっているように感じる。

WOOPもぜひ紹介したいワークだ。

感想

ちょうど良いわけでは無いが、回復力を要するようなことがこの数日起きたため、回復力についての記述は、この数日の体験ベースでの記載となった。
本当に嫌なことが起きているときは、マインドフルネスを行うことすらやる気が起きなくなるもの。。
よい習慣が自分を助けてくれたようだ。
いつか習慣を身につけるコツについても記載しようと思う。

以上 第4日目の記録でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。


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