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2023年1万ページ読書記録(〜4月)

2023年もあっという間に4ヶ月が過ぎました。
年始から慌ただしくスタートした今年。
年末年始も、土日の休日も休みなくフル稼働で過ぎ去った日々。
フル稼働の日々に出会った書籍をまとめておきます。

2023年読書記録

読んだ本の一覧は下記のような感じ。

デジタル変革、学習する組織関連

2023読書記録

まずは、今年もデジタル変革、学習する組織の流れから、2冊。

「なぜ日本企業は情報共有が進まないのか」田坂広志

DXの流れで情報やナレッジの有効活用が叫ばれる中、色褪せない内容。本書はインターネットが普及し始めてきた頃の書籍だが、本質的には変わっていない。メールやツールを使えば情報共有が進むわけではなく、ナレッジを出し合えるための組織の土壌づくりの大切さが語られている。

「共に変容するファシリテーション」アダム・カヘン

南アフリカやコロンビアなど。の非常に複雑で困難な場面でファシリテートされてきた伝説のファシリテーターと呼ばれるアダム・カヘンさんの新書。
水平型のファシリテートと垂直型のファシリテートを行き来することで共に変容できる場を作っていくという、これまでの経験やノウハウを結集した書籍。
水平型、垂直型の行き来にはPolarity Map(極性マップ)というフレームが使用されていて、こちらは、Barry Johnsonさんが開発した思考のフレームワークだ。IDGsのツールキットでも紹介のあるフレームでとてもタイムリーだった。

余談ですが、書籍執筆でBarryさんご本人とやり取りさせていただいたが、とても親身に紹介いただき益々活用してみたいフレームワークとなりました。残念ながら未邦訳の書籍のため、実践しながら日本にも広めていきたいところです。
Barryさんも日本で広がることを歓迎されていました。

東洋の知

諸子百家や東洋の知は、西洋のフレームワークや考え方に疲れた時に清涼剤的に読むのが心地よく、定期的に差し込んで読んでいる。

「中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚 ビジュアル版」
「仕事で一生悩まないための菜根譚の教え」田口佳史
「「大学」に学ぶ人間学」田口佳史
「東洋思想に学ぶ40代から人として強くなる法」田口佳史
「図解 中村天風の行動学」武田鏡村

菜根譚は、論語や老子より時代が後にまとめられたものであるため、それぞれのいいところを取った指南書となっており、ありがたい言葉も多い。定期的に読み直したい内容。
「大学」は、稲盛和夫さんからの影響でいつかちゃんと読みたいなと思いが長年あり、安岡正篤の講義録など数冊当たったが、時代背景の違いもありなかなか入ってこない。現代版での解説に信頼のある田口さんの講義録があることを知ったため読んでみた。安岡正篤の解説と照らしながら読むことで理解が進んだと思う。大学をIDGsで解釈するというのをやってみたので、いつか紹介したいと思う。
中村天風さんも、松下幸之助、稲盛和夫の影響で読み始めたが、私自身も好きな人生哲学の教えだ。最近では大谷翔平選手も読んでいることで有名になっている。

調査関連

調査も兼ねて読んだ本たち。

「2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望」落合陽一

SDGsとデジタルの潮流がわかる一冊。
世界を4つのデジタルイデオロギーでまとめている点がわかりやすい。
・規制や枠組みを推進する「ヨーロピアンデジタル」
・シリコンバレーを中心にしたテクノロジーで推進する「アメリカンデジタル」
・国家単位で世界の工場化を進める「チャイニーズデジタル」
・紙幣よりもデジタル決済が先に進むような一足飛びのデジタル化を進めるアフリカなどの「サードウェーブデジタル」

「脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説」前野隆司

「自己」とは何かを理解する上で参考文献として読んでみた。意識をニューラルネットワークにより生まれるものとした考え方は理解しやすく、納得感もある内容だった。一方、田坂広志さんの「死は存在しない」では、原始的な量子自体にも意識が存在しているのではないかとする仮説も紹介している。まだまだ今後の展開がありそうな領域である。

「中空構造日本の深層」河合隼雄

NHKの100de名著シリーズの100de日本人という特番で紹介されていた本書。とても興味深い内容だったので読んでみた。中根千枝さんの「タテ社会の人間関係」と合わせて読むとおおよそ日本社会や日本人の特徴が理解できるような気がする。
本書では、日本の古事記などの神話を読み解き日本人の精神性を解明しようとしている。特に面白いのは、日本の神話には真ん中に、ほとんど登場しない神様が存在し、この構造がなんども出てくるという内容である。
一例で紹介すると、天照、スサノオ、ツクヨミという3神が登場するが、ツクヨミは太陰暦を使用していた当時、重要な神であるはずなのに全く登場しないという。
著者の河合隼雄はこの3神いて真ん中に無に近い神が存在することに日本人の精神性を読み解き、中空構造と名付けている。
中空構造をもつ日本人の精神性は、主張する引っ張るタイプのリーダーは長続きせず、調整タイプのリーダーの方が長続きする傾向にあるという。
とても面白い考察で頷ける人も多いのではないだろうか。
一方、西洋をはじめとする国々では、合と反から止揚する、陰極まりて陽となるような弁証法運動や二極対立からうみだしていく構造や精神性を持っているという。
この話題は、書き始めると止まらなくなるため、この辺りで留めておく。

「セルフアウェアネス」

ハーバード・ビジネス・レビューのEI(感情的知性)関連の論文や記事をテーマ別にまとめたシリーズの1冊。マインドフルネス、ACTと心理的柔軟性、メンタルモデルなど自己認識のための実践的なワークも含まれ読みやすかった。ビジネス文脈からIDGsを知る本としてもよいのではないかと思う。

「EQ~こころの知能指数」ダニエル・ゴールマン
「NVC人と人との関係にいのちを吹き込む法」マーシャル B.ローゼンバーグ 「やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」アンジェラ・ダックワース
「実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れる」キャロライン・アダムス・ミラー

IDGs関連の参考書籍として活用。

読書ページ数の記録

今期は読書時間を確保するのが難しく昨年と比べると読書量は減っていますが、継続していきたいと思います。

今回過去の読書記録もマガジンでまとめてみました。

それでは、良い1日を!

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