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Google発SIY体験 第1日目

ご縁がありMili主催のSIYプログラムに参加させていただくことになった。
これから数回プログラムが続くので、できるだけ記録として残しておきたい。

サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)とは

Google社が、マインドフルネス・神経科学・エモーショナルインテリジェンスを融合し編み出した、一人一人の個性とリーダーシップを開花させる能力開発プログラム。
先行きが不透明で正解がない混沌の時代にあっても、仕事と人生両方で生き生きと成果を上げつつ、道を切り拓けるようになるマインドとツールを手に入れましょう。
サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)は、オンラインと対面式の両方で、個人および組織向けプログラムとしてお届けしています。

SIYプログラムは米国SIYLI(Search Inside Yourself Leadership Institute)が認める組織と講師によってのみ教えられるプログラムです。

新たなパラダイム・変革が求められる現代では、リーダーに必要な資質も変化しています。
そんなチャレンジにあって、 あらゆる分野のリサーチから見出した、最も有効なアプローチは、文字通り「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」立ち止まり、自らを探求すること。
SIYは、混沌の中でも生き生きと道を切り拓くリーダーシップをお伝えします。

https://mindful-leadership.jp/siy/

日本国内ではMili(マインドフルリーダーシップインスティチュート)で受講可能だ。

Globalページはこちら

Googleの組織作りや仕掛け、研究は大変参考になり、ここ数年ウォッチさせていただいている。
イノベーションをどうやって作り出すか、効果的なチームとは何か?長年研究ベースで探求していることにも大変共感でき、「邪悪になるな」を行動規範として社を大きくしてきたGoogle。
マインドフルネスもGoogleが採用したことで世の中的にも周知が進んだ。
その功績は大きい。

まさにGoogle発のマインドフルネスのプログラムがこのSIY(サーチインサイドユアセルフ)というプログラムだ。

1日目の学び

ダニエル・ゴールマンのEQ(エモーショナル・インテリジェンス)が下敷きになった1日目の講義。
ダニエル・ゴールマンの「EQこころの知能指数」は、IDGs書籍執筆の際にも参考にしたため、講義内容は違和感なく入ってきた。

リーダーとして、人としていい人生を送っていくためには、IQよりもEQの方が重要となることが多い。逆にいえばEQが高ければ、幸福で充実した人生を送れる可能性は高くなる。

マインドフル・リスニング

講義内ではマインドフル・リスニングの練習も行った。
マインドフル・リスニングは、自分の意識を、相手が話していることに向けて、集中して話を傾聴し、相手の話の内容だけでなく、相手の気持ちや意図、状況などを感じ取っていく高度に聴く技術のことをいう。

相手がマインドフルに話をしてくれていると、マインドフルなリスニングのモードにも入りやすいように感じる。
逆に、相手が脳内にある知識を情報として伝えるモード、ダウンローディングをし続けるモードで話をしていると、マインドフル・リスニングは難易度が高くなるように感じる。
なぜなら、ダウンローディングのモードの話を聞く場合、知識としての情報の密度が相対的に高くなるため、知識内容を正確に把握しようとすればするほど、背後にある気持ちや意図に意識を向けるのが難しくなるからだ。

日頃の会話を思い出してほしい。人の話を聞いている際に次に自分が何を言おうか考えていることはないだろうか?
マインドフルなリスニングでは、傾聴に集中しているさなかにフッと言葉が自然に降りてきたように衝いて出てくる。
この掛け合いが、相手の立場に立ちながら会話する対話(ダイアログ)のモードだと言えるだろう。

エモーショナル・インテリジェンスの定義

“自分自身と他人の 気持ちや情動をモニターし、 識別し、
それを使って 自分の思考や行動を導く能力”

Salovey & Mayer, 1990

EQの定義を見ると非常に難しいことを言っているように感じたが、結論としては、自分自身と他者の気持ちや情動を感じ取れるよう意識を高め、対話する能力も含まれている、と捉えることで腑に落ちた。
難しさを感じたのは、SIYがマインドフルネスを中心にしているため、言葉なしに感じ取ることで、相手の状態を把握せよと言っているように捉えてしまっていからだが、言葉を発してはいけないと言っているわけではない。
会話の中で、自分自身も認識できていないような気持ちの揺れや情動をお互いに示し合い、気づきを与え合える対話を作り出すことが、EQの真髄と言えそうだ。

引っかかりからの考察も記載しておく。
自分自身の、気持ちの揺れや上下をモニターすることは、自身でも体感があり訓練次第で身につけることが出来るのは理解できる。
しかし、他人の気持ちや情動もモニターし、識別するというのは厳密さを求めると非常に難易度が高いものに感じてしまう。
なぜなら、他者の見ている世界や感情の微妙なニュアンスはその人だけにしかわかり得ないもののように感じるからだ。
しかし、もっと言うと本人すらもその気持ちや情動を認識できているか怪しいこともあるだろう。
他人の反応や意見を聞いて自分がどのような状態であったか、どのように見えているかに気づくことができてハッとした経験はないだろうか?
自分自身のことであっても盲点は存在していて、完全に自分の状態を把握しきることは難しい。とすると他者の力が重要で必要なものになってくる。
マインドフルネスは、俯瞰的に自分自身をみることで状態を観察できるようになる技術で、第3者の視点から自身を観察する技術と言い換えることもできる。
ここで対話がもたらす効能が重要になってくる。対話においては、自分自身で気づけていない感情の揺れや感じ方を相手の反応で知ることが出来る。
他者と自身が対話を通して補完し合う関係となり高め合うことができるとすると、対話はお互いにとって必要なことだと思えてくる。
そして、対話を作り出す能力を含めてエモーショナル・インテリジェンスであると捉えるとスッと腹落ちするに至った。

オートパイロット(無意識)→認識

人は毎秒1100万ビットの情報を受け取っているという。そのなかで意識的に処理している情報は40ビットに過ぎない。
パーセンテージで言うと99.9996%は無意識に処理してしまっているということだ。つまりは、あなたも私も無意識の偏見に捉われているということだ。
この無意識の作用をオートパイロットという言葉で表すのは言い得て妙だ。
無意識で反応してしまう、刺激と反応の間の隙間で反応を選ぶことができるかが重要だと、7つの習慣のスティーブン・コヴィーはいう。

“刺激と反応の間には 隙間がある。 この隙間に、反応を選ぶ 私たちの自由と力がある。 私たちの反応の中には 成長と幸せがある。”

Viktor Frankl’s teachings, summarized by Stephen Covey

生理学者のベンジャミン・リベットも著書マインドタイムで刺激を受け取って0.5秒後から0.1秒ほどの隙間に自由意志があることを実験した。
この0.1秒で自己の反応を感じ取って、意識的に反応することが重要だと言うことだ。
そして、意識していないと無意識の反応に身を任せることになってしまうのだ。
ここで、マインドフルネス:“being aware” 「気づいていること」
ができる状態、気付ける状態を作っておくこと、普段のフラットな状態を確認し知っていることが重要になるだろう。
フラットな状態を知るためには、日頃からマインドフルネスを実践して、感情や思考の動きを感じ取る技術を高めていおくことが重要となる。

“マインドフルネスとは
心、身体、そして周囲で今の瞬間に起っていることに
好奇心と優しさを持って注意を向けること。”

Mindful Nation UK Report

ミニ実践法

紹介のあった実践法は、簡易で有用なものだったのでここでも紹介したい。

三呼吸
1 注意を呼吸に向ける
2 身体をリラックス
3自分に訊く「今大切なのは何?」

SIYプログラム

1はいつものマインドフルネスと同じく、呼吸に注意を向ける。
2で身体をリラックスさせて、
3が最大のポイントに思える。「今大切なのことは何か?」この瞬間の意図を確認する。
短期的な重要度としての意図から、存在意義を問う深いレベルの意図まで一言で意図と言ってもそのレベルはまちまちだが、意図を確認するプロセスが加わることで、このミニ実践法は深みのあるものになっている。

マインドフルネスの効能

神経可塑性(ニューロプラスティシティ)とよばれる、瞑想によりネットワークが強化され、効果が持続的なものになると言われている。
また、脳の特定部位に変化が見られることが最近の脳科学で明らかになり、マインドフルネスの科学的な効果が認められつつある。

瞑想実践者の脳の特定の部位は大きくなっていると推測される:
• 島皮質 身体と感情の認識
• 体性運動域 触覚や痛みの感覚を送る主たる脳皮質の部分
• 前頭葉  注意とメタ注意を司る
• 回状皮質  自己統制
• 眼下前頭皮質  自己統制

SIYプログラム

メタ注意力

耳慣れない言葉だが、下記を意味している。

“注意自体への注意、注意がそれたことに気づく能力”

SIYプログラム

マインドフルネスを実践していると、呼吸に集中しようとしているのに、いつの間にか別のことに思考が向いているのに気づく瞬間がある。
これがまさにメタ注意力ということになるだろう。
プログラム後の質疑応答時間に眠気をコントロールすることは出来るかという問いがあった。
私が最近実践しているのは、眠気を感じた瞬間に大きく鼻から息を吸ってみることだ。
これだけで、意識がスッと戻ってくる。
特に読書中には、「眠いな」の瞬間が訪れることがあるが息を大きく吸ってみることで眠気がたちどころに消える。
繰り返し眠気が来たとしても、繰り返し大きく息を吸うことで解消していくと、集中時間を伸ばしていくことが出来ている。
ぜひ、試してみていただきたい。
意識せずに自動的に動作しているけど、意識してのコントロールも出来るものは、呼吸とまばたきだと聞いたことがある。
マインドフルネスが呼吸を重視する理由もこの点にあるように感じる。

一点への集中|オープンな集中

仏教瞑想の影響を特に感じた箇所だが、
仏教瞑想では、止観がポイントとなる。
の瞑想は、まさに一点への集中を表し、呼吸だけに集中していく瞑想だ。
の瞑想は、音、風、座っている感覚、身体の内側の感覚など、特定のものに集中するでなく全体を全体として感じて観察する瞑想だ。

プログラムで紹介のあった、一点への集中とオープンな集中は、止観を言い換えたものだと言えるだろう。

実践の宿題

次回までの宿題は、マインドフルネスと、マインドフルリスニングの実践。
毎朝のマインドフルネスを実践しているのでこちらは継続するとして、
マインドフルリスニングについては、意識して実行してみたい。

感想

知っている内容も多く、改めて復習する場となった。
ややメモ的に記載してしまったが、こうやって文字にして振り返ることで多くのエッセンスが詰まっていたことを再認識できた。
引き続き旅の記録として書き残していこうと思う。

以上 第一日目の記録でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。


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