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柏木公宰のエッセイ 第六十六回「12年前に卒業した大学に行ってみた。」

12年前僕はある美術大学を卒業しました。

大学ではいろいろありました。楽しくもあり、悲しくもあり・・・でもその話はまたの機会に。

自分が卒業してから12年の年月が過ぎました。

今、その大学はいったいどうなっているのだろう。

ふと気になったのでなんとなく調べてみました。

・・・無くなってました。


正しくは僕が通っていたキャンパスは別の場所に移転したそうです。なので大学は今もあります。

ただ、元々大学があった場所は建物だけが廃墟になって残っている状態みたいです。

こんな悲しいことあります?この12年の間にこんなことになっていたなんて・・


・・・で、なんとなくですが、かつて大学があった場所に行ってみることにしました。

もちろん閉鎖されて中には入れません(そもそも入ってはいけない)ので、外から見るだけ。


僕は電車に乗り大学のある(あった)駅へ。

駅は恐ろしく何も変わっていませんでした。多少周辺のお店等は変わっていましたが、新しくなることもなく老朽化することもなく、12年前のまんま。

そこから大学に行くために山へ登る。

僕の通っていた大学は山の中、かなり上の方にある。

いつも大学へ行くため無料シャトルバスに乗ってました。乗り過ごしたらよく歩いて行っていた。

もちろん、今はそんなバスは無いので、歩き。

もう大学なんてないのに俺は何をやっているのだろう。そう思いながら懐かしい道を歩く。

最初は懐かしい道にノスタルジックさを感じておりましたが、坂が急勾配になるにつれ息切れが激しくなる。

昔の俺はこの道を平気で登ってたのか。

自分自身の老いを感じていたが、よくよく思い出してみれば昔の自分も今と同じくらい息切れしながら登ってた。


なんやかんやあって大学(廃墟)に近づいてきた。

意外と道は覚えているもんだ。

かつて大学だった建物が見えてきた。

建物を覆い尽くすように木々が生い茂っている。

するとなにやら不穏な空気。

カラスが騒ぎ始める。

最初はそんなに気にしてなかったが、僕が建物に近づくにつれ明らかにカラスが増え警戒するように騒ぎ始める。

上を見上げると廃墟になってしまった大学と無数のカラス。

どうやらここはカラスの根城になってしまったそうだ。


さすがにヤバイ雰囲気になってきたので急いで下山。

僕の知ってる大学はもうそこには無かった(知ってたけど)。

こんな悲しいことあります?この12年の間にこんなことになっていたなんて・・


まぁ、仕方ないか。切り替えよう。

帰りに高いところから見る町はとても綺麗。

絶景でした。

それで思い出した。

うちの大学は本当いい場所にあったな。

景色が本当に綺麗だった。


最後に。

大学在学中に描いた作品の一つ。


大学から見える町の風景。

この夜景が本当綺麗だった。


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