『火車』読書感想。
遠戚の和也の婚約者・関根彰子が自身に自己破産の過去があることを和也に知られたことをきっかけに行方をくらませた。
怪我により休職中の本間は和也から彼女を探し出すことを依頼される。
彼女を探すうちに徐々に見えてくる凄惨な事件のあらましとは。
「ただ幸せになりたかっただけなのに」
”本物”の関根彰子のこの言葉に隠されているクレジットサービスの闇とは。
関根彰子の自己破産の手続きを請け負った弁護士ーと本間とのやりとりがカラマーゾフの兄弟の大審問官の章さながらで面白かった。
小説において作者の主張したいことを表すために、対話形式は最も適しているのかもしれない。
登場人物に人間味があり、物語の展開も展開する場所の切り替わりも多様で最後まで飽きずに楽しめた。
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