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【詩】アメリカザリガニ

口の中でつぶやく魔法の言葉は

誰の元にも届かない


こぼれでる破裂音が気泡に変わり

宙に上っていくのを見た瞬間

水底にいることを知る


見上げる空から注ぐ光の矢

美しすぎて惨めになる


悪態をつくと同時に浮かび上がる

虹色のシャボン玉の優しさに

もどかしくなり下を向く


深淵にさえ見放された私は

泥を掻き底へ底へと潜っていく


いつかどこかで合間見えた

あいつの鋏が

”こっちにおいで“と

手招いていた

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