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『マッドバウンド 哀しき友情』映画感想。


戦争体験をきっかけに交流を持つようになる白人のジェイミーと黒人のロンゼル。
互いにPTSDを患っていることを知り、徐々に距離が縮まっていく。
しかし差別主義者であるジェイミーの父親にロンゼルの白人妻子の写真を見られたことにより、最悪の事態に陥っていく。
戦争により引き起こされたPTSDによって結ばれた友情、それきっかけに起きる最悪の出来事。
皮肉による応酬が続き、胸が苦しくなる。
しかし、最終的に悪夢を背負いながらも自分のための人生を踏み出し始めるロンゼル。
悪夢を押さえつけるのでも、戦うのでもなく、共生の道を選んだロンゼルに微かな希望の光が見え、物語が閉じていく。

面白い映画だったけど、ヒロインであるはずのジェイミーの兄嫁・ローラがあまり魅力的じゃないのが残念だった。
ヘンリーと結婚したのも、黒人であるロンゼルの母親をメイドとして雇ったのも、意志から生まれたものではなく、全て流れに任せて選択している。
ジェイミーと不倫はするけれど、家庭を捨てるほどの情熱はない。
全てが流動的で掴みどころがない。
そうゆうところが人間らしいと言えば人間らしいのかもしれないけれど。

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