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【詩】転生

ことばの海に揺蕩って

夜空を貫く旅に出ていた

地団駄踏んだ子供の影や

真っ青なカップケーキを頬張る彼

幻の星雲群を光より速く駆け抜けていく

一瞬瞬いたあの人の顔は

無理やり押し込まれた布団のように

ブラックホールに消えていく

月夜を忍足で駆けていくお月見泥棒が

残した朱色の血糊の傷跡は

その嘘が悲しくて

腹の底から息苦しい

パンクしたタイヤみたいに

少しずつ崩れゆく私の体は

宇宙に漂い

少しはマシなものに生まれ変われるのか

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