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#春

【詩】カワイソウナハル

【詩】カワイソウナハル

海辺の散歩中 

落ちてきた隕石は 空ほども大きく 

冷たく透き通った拳を振り上げ

私の身体を粉々にした

散乱する私の一部だったものは

予想とは違い

てらてらしたピンク色の臓物ではなかった

小さな肋骨の檻の中に隠れていた無数のpupa

蝶にミツバチ、カブトにテントウ

蠢く春の予感

目玉の穴からこぼれ落ちる

タンポポ、シロツメクサ、そしてヒナゲシの涙

止まっていた世界が動き出す

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