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路頭でさまようのは採血待ちの人々

こんにちは。

昨年からアメリカ・カリフォルニア州に住んでいます。

今回はアメリカの働き方について気づいたことをお話しします。


ハッピーに働く。ただし自分の時間内、キャパ内で

アメリカに住んで初めて思ったのは、お客のため、相手のためといった働きかたがほとんど存在しないことです。

決して嫌々仕事をしているわけではなく、
むしろ勤務中は日本よりハッピーな雰囲気です。
スーパーのレジでは
『その服どこで買ったの?いいね!』
『赤ちゃん可愛いわねーバイバイ』
なんて絡まれます。

ただし、相手のために残業するなどの、自分の時間を使うことは基本的にありません。

また、待遇が悪ければためらいなくストライキを起こします。

検査機関のストライキ

働く人の権利が守られているなと思ったエピソードがあります。

私は産後の出血がなかなかおさまらなかったので、慌ててかかりつけのクリニックに行きました。

幸い、緊急性がないと判断されました。
医師は採血オーダーの紙を書いて『好きなラボで採血してね』とわたしにくれました。

アメリカは縦割り分業医療なので、クリニックで採血はしません。

帰り際に、利用経験のあるラボに行きました。
しかし入り口が閉まっていて、『一時休業』の貼り紙が。

たまたまかなと思ってホームページで調べてみると、グループ全体のラボが閉まっています。

おそらくストライキだったのでしょう。
HPで予約を取ろうにも2ヶ月先でした。

出血の検査が2ヶ月先で大丈夫なはずがありません。

ラッキーにも1ヵ所だけ、開いているところを発見しました。

そこに突撃してみると、『今日はスタッフを減らしているから、予約の人だけだ』とのこと。
予約なしで大丈夫な日を聞きつけ、改めて訪問することにしました。

そこら辺の人はみんな採血されたい人

当日は大勢の「採血されたい人」が押し寄せていました。
ラボからはみ出て待っている人もいます。

一方のわたしは、産後すぐ、しかも出血の主訴でフラフラでした。

でも途中、元気なおばあさんに席を譲りました。
だってもうおなかも大きくないし、若者だから…。つらぁ。

幸い、2時間程度で採血までこぎつけました。

不思議と、待たされることやストライキに怒る人はいませんでした。

『困ったわねぇ』とスモールトークするマダムや、
ドアに入った瞬間、頭を抱えるジェスチャーをして立ち去るおじさんはいました。

働く人の権利は当然の権利とみなされているようです。

そしてオーダーする医者は一時休業の事はつゆとも知らず、また誰かにオーダーの紙を渡すのでしょう。

このように、働く人の都合で社会が回っています。

消費者側から見て不便だけど…

働く側と利用する側は表裏一体です。
労働層は、どちらも属していることがほとんどです。

アメリカは、労働者からしたら大変働きやすい社会といえます。
その裏返しで、利用する側から見ると不便を強いられることが多々あります。

日本はその逆です。
どちらがいいというより、バランスの傾き加減の問題だと思います。

土日休みのレンタカー屋、
15時閉店のカフェ、
閉店時間前に店じまい…

これらに遭遇すると、
毎回『へぇ!』と驚き、
『まぁいっか』と落ち着きます。

意外とすぐ慣れます。

15時閉店のカフェ


ちなみに、海外はのんびり働いているわけではない

日本は働きすぎ!とよく話題になります。
しかし海外、少なくともアメリカはちゃんと?忙しく働いています。

国内で3時間の時差があるので、朝早く始業する人もいれば、
終業後に日本と会議する人もいます。

祝日は少なく、連休はほとんどありません。

でも、その分有給やスケジュールはフレキシブルに自分で決められます。
現地で働く夫も『金曜日午後はみんな帰るモード』と話します。
みんな、はみでた労働時間を調整しているのかもしれません。

まとめ

アメリカに住んで気付いた『働きかた』について、話してきました。

お堅いことは書きたくありませんが、日本はアメリカのようにはいかないと思います。

なぜなら、相手への思いやりが深い国だからです。

でも人口が減ってきている今、もっと働く大切にしなければなりませんよね。

ちょうど最近、残業時間に関する厳しい規制が出されました。
こうやって、取りかかりやすい"時間"で守っていくのは必要だなと感じます。

私が日本に帰国する頃はどうなんでしょうね。

小さい子どもを育てながら働くって難しいんだろうな、
働いてる人すごいな、などなど白目をむいて考えています。

ではでは。

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