テニス選手を諦め、漫画家を志した話
初めまして、KASAと申します!!現在、月刊少年チャンピオンでBREAK BACKというテニス漫画を連載しています。
小学生からテニスを始め、中学はソフトテニス部、高校はテニスの名門クラブで練習し、高校卒業後は、就職せず…
テニスコーチをしながら、国内ツアーを転戦しました。
まさに、26歳まで自分の人生は、テニス一色でした。
そんな自分が、テニスを辞め、漫画家を目指したのには、いくつか理由があるのですが…
その一つは、テニス選手としての自分の可能性を諦めたからです。
諦めた瞬間は、25歳の時に行ったアルゼンチン武者修行での時です。
大好きだった元世界3位のギレルモ・コリアという選手が、母国アルゼンチンで、テニスアカデミーを開いたとFBで知り…
知った日にアルゼンチン行きの航空券を取りました。笑
それくらい大好きな選手でした!!
アルゼンチンは日本から乗り継ぎ合わせて、24時間以上かかり、さらにコリアのクラブまでは空港から長距離バスに乗ります。
そして、何とかクラブにたどり着きました。
アポは取らずに来たので…コリアに会えるのかも、クラブで練習できるかもわからない状況で…
壁に囲まれたテニスクラブのインターホンを押しました!!
「I came to learn tennis from Japan!(テニスを学びに日本から来ました)」
「I want to help your academy(あなたのクラブを手伝いたい)」
と中学英語で思いを伝え…
中に入れてもらえることに、そして出迎えてくれたのが…
憧れのギレルモ・コリア本人でした!!そこで…
「I'm big fan of you(あなたの大ファンです)」と…握手!!
最高の瞬間でした!
その後、コリアは英語が喋れないので、クラブのヘッドコーチに経緯を説明し…
一ヶ月間、練習生として練習させてもらえることになりました!!
一ヶ月の間にもちろんコリアの直接指導もあったり、現役の世界ランカーとも練習をさせてもらったり…
テニス選手としては夢のような時間でした!
そんな中、アルゼンチンのトップジュニア(中学生)と試合をすることに…
そのジュニアの子は、ランニング中にナンパしたりと、まさに日本で言うチャラ男…
今でいう陽キャです。しかも、イケメン。笑
そんな年下の彼に…
嫉妬心という名の炎が、燃え上がりました。笑
そして、何とかその試合は勝つことができ…心の中で小さくガッツポーズをしていると…
ジュニアの子は、泣きながらヘッドコーチに…
「今のは本気じゃなかった!もう一回試合させてくれ!!」と頼んでいました。
周囲の目を意に介さず、泣きながらコーチにお願いする姿を見て…僕は正直引きました。
多分、練習でのチャラチャラした態度のギャップもあったのかもしれません。
そして、再戦することなったのですが、その気持ちに圧倒され、負けることに…
でも、一勝一敗だった。
今度は自分がコーチにいう番だった…
「これでイーブンだ!もう1セットやらせてくれ!」
と…。。
でも言えませんでした。
恥ずかしさもあったのかもしれません
自分の方が年上だから。
心の中で、負けを納得させる自分がいました。そこで気づきました。
「ノーチャンスだな」と…
強くなりたいなら、歳なんて関係ない。なりふり構わず言うべきでした。
「負けて終われるか」と…
センスや才能…
それ以前の話…
心の資質が自分にはないことに気づかされました。
強くなるため、憧れのコリアに会うために来たアルゼンチンで…
僕は、最も大事なモノが欠けていことを知ることになりました。
それでも、完全に選手を諦める決心がつきませんでした。
毎日の日課だったオートマシンでの練習を辞めれなかったのです。
これまで積み上げたものが、全て無駄になってしまう…
そう思い、何ヶ月も続けていました。
そして、このままではダメだと思い、違う目標、夢を持とうと決めました。
それが、子供の頃からのもう一つの夢。
漫画家でした。
憧れだったコリアに会えたことは、一生の宝物です。
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