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音は意外に力が強い 〜ある意味『正しい』「水は答えを知っている」の読み方〜

トンデモ本として有名なあの本

皆さんは『水は答えを知っている』という本を知っていますか?まずに言葉を聞かせたり、文字を見せたりすると結晶のでき方が違うというオカルト本です。
文字の下りは置いておいて、音楽を聞かせる下りは作者が言いたいこととは全然違う方向で科学的に説明できたので、記事に起こしていきます。

水は音の力を知っている

結論から述べると音は皆さんが思っている以上に物理的な存在です。
音響兵器って聞いたことはありますか?知らない方は以下のリンクを読んでみてください。

大きな音は兵器にもなるほど強いのですが、『水は答えを知っている』の実験も同じで、音楽を聞かせる実験では悪い言葉として聞かせたロックは大きな音で聴かせていたと取れる一文があるのです。
では大きな音が結晶化にどういう影響を与えるかをまずは見ていきたいです。

揺らすと小さな結晶になる

食塩の濃厚溶液をかき混ぜると細かい結晶が一気に出現する。逆に、刺激がないとゆっくりと大きな結晶が成長する。小学校の理科実験でおなじみの現象である。

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/8201/

上は以下のリンクに書いてある文ですが、面白いので、ぜひ全文読んでほしいです。揺らすと溶液の結晶化が早まる理由の解明をしたという東大のプレスリリースの記事ですが、つまり振動が結晶を小さくするのです。

音は空気の振動です。大きければ大きほど振動の強さは強くなります。ペラ紙一枚手に持って結構大きめのJRなどの駅の構内に行ってみてください。あたり構わず構内アナウンスがめちゃくちゃでかい音で鳴ってますが、紙がブルブル振動するのがわかるはずです。紙を揺らすような振動が溶液にあたればどうなるか、上のリンク先で書いてあるような現象が起きるのです。なので、大きい音で音楽を鳴らすと結晶が小さく粗くできてしまうので、人によっては美しくないように見えるのです。

ノウハウが大事なことってあるよね

例の本ではよく読むと科学実験で基本とされる対照性がないのです。多くの科学者が例の本を批判してますが、そもそも対照実験になってないという指摘はしていません。武士の情けでしょうね。
でもわたしは素人なので、あえてそこをつきます。音楽を聞かせるの下りに普段聞くときのようにみたいな記述があります。作者が明らかにロックを聴く時とクラシック聴く時で音量変えてそうな感じの人だと思わせる文章なので、素直にその通りに読むと、明らかに音楽の聞かせ方が違うことに気づけます。ロックは大音量で聴かせているだろうと分かれば、結晶が汚いとかできないとか言っているのは当たり前だとわかります。
そうです。トンデモ本ではなく理科の実験の反面教師としての失敗例の本として読めるのです。
間違った実験からは間違った結論が導かれることを私たちに教えてくれます。
作者の主張とは全く違いますが、ある意味で科学的な本ですね。
 

大事なのは言い方かもね

部下、子供を叱る時、怒鳴ってませんか?友達と話している時、つい声が大きくなってませんか?
適切な音量というのがあるかはわかりませんが、攻撃的な言葉は攻撃的な語気になるものです。強い口調で言われたら、優しい言葉でも人は萎縮してしまうものです。言葉の裏側という言い回しもあるように言葉自体には善悪はないのかもしれません。会話言い方や身振り手振りといった演技的な側面も持ち合わせているのでしょう。
対面で話すとは、全体的な面で気をつけないといけない繊細なものなので、気をつけたいですね。

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