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連載ファンタジー絵本 ゆいとボックリー 戸越銀座を遊ぶ (不思議の国のアリスをお好きな人には面白いかもしれません)

ゆい と ボックリー 戸越銀座を遊ぶ

戸越銀座を 遊びながら みたてモンという妖精を友達にしていくお話。

⬛️はじめに
ゆいは小学校3年生。伊豆の山の中で生まれ育ったので、自然の中にいる妖精とはとても仲良し。だけど、夏休みになってこれから遊ぶぞって時にママはニューヨークにお仕事で行ってしまい、東京の戸越銀座商店街の西の端にあるグランマというカレー屋さんの2階に住むおばあさんに預けられてしまいました。

ゆいの頭についているピンクの髪飾りは双子の妖精で、名前はボックリー。ボックリーは他の妖精が近くにいるとそれを感じてぶるぶるって震えて踊りながら、ゆいに知らせます。

ゆいちゃんにちょっと自己紹介をしてもらいましょう。
「私が見つけられるのは何かの動物に似ている妖精なの、わたしの頭についているボックリーは私が見つけられる妖精のことを「みたてモン」って呼んでいるの。戸越銀座商店街では、建物の中に隠れていることが多いんだって。だからよーく見ていかなくちゃね。そうすればきっと「みたてモン」を見つけられると思うわ。 夏休み中に たくさん友達作っちゃうんだ」 

みたてモンとは妖精だということはお話ししましたよね。
チューリップの妖精、たんぽぽの妖精、犬の妖精、妖精たちは、それぞれ守るものを持っていす。
でも、たまに自分が本来守らなくてはいけないものに似ている何か(人間が作ったものが多いのですが)を守っている妖精もいます。
その妖精が「みたてモン」です。

「みたてモン」は動物に似た妖精が多く、自分に似た造形物を守ることを仕事としていることになります。

⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面1

夏休みになったのに、ママはお仕事でニューヨークに行ってしまったから、ゆいは東京の戸越銀座という商店街の西の外れにあるグランマというカレー屋さんの2階に住んでいるお婆さん預けられたの。だから友達はまだいないんだ。
ゆいは、カレー屋さんで朝ごはんを食べ させてもらっているの。飽きないかって? 大丈夫 ゆいはカレー大好きだからね。


--------------  このお店の情報. -------------------
戸越銀座 グランマ スパイスカレー のお店
以前はお惣菜のみのお店でしたが、今は、お惣菜も売っているスパイスカレー屋さんになりました。


⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面2

それにね。ゆいが下のカレー屋さんに行く時は滑り台とトランポリンの両方の遊びができるんだよ。ゆいは階段は使わないの。まずベランダの柵を乗り越えるでしょ。


次に斜めになっている看板を滑り台にして滑り降りたら、その下にビーチパラソルがあるので、そこでトランポリンをして、最後は鮮やかに着地。じゃー、カレー食べてくるね。

⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面3
「ゆいは、朝ごはんも食べたし、朝の商店街に散歩に行くぞ。 
とにかく、朝の商店街はさ、人がすっごく少ないから、ひろーく感じちゃうんだよね」

⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面4

ゆいの髪飾りは単なるビンクのサンゴ玉に見えますが実は双子の妖精なんです。


妖精というと皆さんはこんな子を思い浮かべると思いますが、

木の実の精なのでこんな姿です。近くに他の妖精がいると嬉しくて本来の姿に戻って踊り出します。


なので、ゆいは頭の上でダンスが始まると期待でワクワクしてしまうのです。


⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面5
「わー、双子のボックリーが踊り出したよ。近くに妖精のみたてモンがいるんだ ! どこ ? どこ ?」
「あれ、この街路灯の影は羽が生えているみたい。それに隣のたてものもなにかに似ているよね・・・分かってきたよ」

⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面6

ボックリーの「合言葉、合言葉」という声を聞いて、
ゆいは「ぼっくりー」と叫びました。
すると、道の真ん中に突然できた水たまりがどんどん大きくなって池の様になりました。その池の底から「びっくりー」という声が泡と一緒に上がってきました。
それを聞いて、ゆいはすかさず「とりモン と かばモン」と叫びました。
すると、まず、鳥の姿になった街路灯がゆいの隣に現れました。

⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面7

池からかばモンが顔を出しました。と同時に雨も降り出しました。ゆいちゃんは、驚きましたが、思っていたより可愛いかばだったので、絶対友達になろうと思いました。

かばモンは「ゆいちゃん、僕を、呼び出してくれてありがとう。泳ぐのは久しぶりだよ。昔はこの商店街に雨が降ると商店街の道に水が溜まってそれが川のようになったから、子供達は水遊びをしたんだよ。お店の人たちは困っていたけどね。」と言いました。

⬛️「ゆいとボックリー 戸越銀座 」場面8
水がたくさん流れ込んできて商店街が川になってしまいました。「さあ、早く僕に乗って」とかばモンが叫んだので、ゆいはかばモンの頭の上に飛び乗りました。
かばモンはむかしの話を続けました。この商店街では、パン屋さんと魚屋さんが一番古くからやっているんだ。ほーら、魚屋さんから逃げてきた飛魚が来たぞ。

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