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ファシア(Fascia)

Fascia(ファシア)とは、筋肉や骨、内臓、神経などの身体組織を覆う薄い膜状の組織です。筋膜や靭帯、腱、支帯、腱膜などを総合した結合組織を指します。
Fasciaは、筋肉や骨などの組織を保護するだけでなく、それらを繋ぎ合わせることで全身の連動性を保つ重要な役割を果たしています。また、コラーゲン線維が特徴で、体の中の隙間を埋めていくように全身に分布しながら影響を与えます。「痛み」や「心地よさ」に関わる受容器が多く存在しているのも特徴です。
Fasciaの語源は、ラテン語で「ベルト」「紐」を意味する「fascia」から由来するとされています。
筋膜とfasciaの違いは?
筋膜(Myofascia)は、「個々の筋線維、筋肉または筋肉群を包み、互いを分割および連結する線維性組織」と、あくまで筋(Muscle)を対象とする組織を示しますが、ファシア(Fascia)は「全身にある臓器を包む線維性の立体網目状組織」と全身にある臓器(内臓、筋など広く臓器一般を含む)が対象になっております。


日本では筋膜と訳されることが多いため「ファシア=筋膜」とイメージいる人も多いです。

近年メディアに取り上げられる回数が多くなった言葉のひとつでもあり、ファシアの正確な意味と筋膜との違いを調べるケースも増えつつあります。

ファシアの定義と概念を患者さまに理解してもらい、慢性痛や身体の不調の改善に努めております。

本ページでは、「ファシアとは何?」「ファシアをイメージしよう」「ファシア施術-ファシア リリース」3つのトピックについて解説いたします。

以下で、ファシアをQ&A形成で簡単に説明させていただきます。

・ファシアとは何?
人体を構成するすべてのものを包む膜を指す医学用語です。
・英語では「fascia」その意味とは?
日本ではよく「筋膜」と訳されるケースが多い英語の「fascia」。
英語の辞典を見ると「筋膜」「筋肉、骨、内臓、神経、血管などのさまざまな組織を包んで保護する、薄い結合組織」といったメディカル的な意味から「看板」「帯」まで、様々な意味を持っていることがわかります。
その語源は、ラテン語で「ベルト」「紐」を意味する「fascia」から由来するとされます。
・ファシアは筋膜なの?
主に「筋肉を包む膜」という意味合いで使われることが多い言葉なので、上述のように「ファシア=筋膜」と思われがちですが、筋肉以外の部位にも無数に存在するとされます
・他にはどこにあるの?
心臓を包んでいる膜、胃を包んでいる膜など色々な膜、すなわち、ファシアが存在しており、 体のあらゆるものを包む膜の総称がファシアなのです。

ファシアは、人体を構成するすべてのものを包み、全身の隙間という隙間に入り込み様々な器官と器官を繋ぐネットワークとして体内に張り巡らされていると知られております。

例えば、臓器ひとつひとつを包む膜もファシア(fascia)ですし、皮下に存在しボディースーツのように体を包む膜もファシア(fascia)であります。

よって本サイトでは、ファシア(fascia) は筋膜だけではないため、筋膜と表現せずに敢えて『膜』と表現します。
筋膜は「myofascia」、膜は「membrane」と区別されます

※海外では筋膜は「myofascia」、膜は「membrane」と区別して使われる。
ファシアをイメージしてみましょう
膜をイメージするのが難しい方は、鏡でご自身の眼をご覧ください。

筋を包む膜とは構成が少し違いますが、イメージを理解するにはもってこいです。


筋の場合は、涙の代わりに「基質(主にヒアルロン酸)」が役目を担ており、関節の曲げ伸ばしや捻る動作を円滑に行う手助けをしてくれています。

痛みのセンサーが反応するメカニズム
また、涙が出にくくなると目は乾燥し「痛み」「異物感」などの独特な感覚を覚えると思います。同様に筋の膜もヒアルロン酸の水分低下が起こるとドロドロな状態になりスライド能力が低下し「可動域制限」や「張り」を感じます。

ひどくなると伸張性低下、組織同士の滑走性低下が起こり、隣接する膜と膜とが癒着します。この状態で癒着部位に牽引刺激が起こると侵害受容器(痛みのセンサー)が反応し、「痛み」を感じてしまうのです。

寝違いやギックリ腰などの動作痛は、これが原因だと思われます。

痛みのセンサーの反応による動作痛
痛みのセンサーの反応による動作痛
そのような場所をエコーで観察すると、画像上は「層状かつ帯状の高輝度部位、(白く厚く重積した像)」として観察されることが多く、異常な膜を示す所見の一つとしてとても注目されています。

特に、筋外膜には非常に多くの侵害受容器(痛みのセンサー)が存在していること、異常な膜に対するアプローチにより症状の改善が見込まれることなどが多数報告されており、今後の報告にますます期待がかかります。

ファシアが癒着する原因
では、ファイアの癒着はなぜ起こるのでしょうか?

 
運動不足
猫背や長時間の同じ姿勢
ケガ・炎症やそれによる治療・手術
精神的ストレス
我々現代人は、長時間のデスクワークや長距離運転、同じ姿勢での携帯電話など電子機器の操作など、ファシアに負荷がかかりやすく、ファシアへのストレスが溜まりやすい環境にあります。

ファイアの癒着を引き起こしかねない長時間のデスクワーク
ファイアの癒着を引き起こしかねない長時間のデスクワーク
また、ストレスによって交感神経が継続的に緊張していると、心だけでなく、身体(筋肉)も緊張した状態となり、ファシアへのストレスにつながります。

これらが、ファシアの癒着の主な原因として挙げられております。


ファシアリリースは、肩こり、腰痛、頭痛、足のむくみ、関節の痛みなど、さまざまな症状に効果があるとされています。

そのアプローチ方法は以下の大きく4つが挙げられます。

注射にて生理食塩水を異常部位に注入
(ハイドロリリースまたはハイドロダイセクション)
鍼施術(当院では、トリガーポイント鍼)
当院のメニュー>トリガーポイント鍼灸を見る
徒手療法(当院では、fascia slide and release®︎)
(ファシア スライド&リリース…皮膚を大きくずらす特殊なマッサージ法)
当院のメニュー>ファシアスライド&リリース®︎(筋膜マッサージ)を見る
低負荷での反復動作
筋に負荷をかけずに反復動作を行い、膜同士のスライドを促す。

ファシアはがしとは?ファシリリリースとの違い
当院を訪れる患者さまや、オンラインでお問い合わせされる方に「ファシアはがし」に関する質問をよくいただいております。

「ファシアはがし」は、一般的にファシアリリースと同じ意味で使われるケースが多く、施術方法においても大きな違いはないとされます。

ただし「はがし」というワードから「強引的な施術」というネガティブなイメージを抱く人も多く、当院では「はがし」というよりは「リリース」という表現が適切と考えております。


2000年富山国体少年男子メディカルトレーナー 2001年富山県立氷見高等学校男子ハンドボールメディカルトレーナー 2021年ハンドボール日本代表チームにメディカルトレーナーとして合宿に参加 2023年富山ドリームススタッフ