アドラー心理学㉙ありのままの自分を受け入れる自己受容

さてここから最後のトピックに入っていきます。

【自己肯定ではなく自己受容】

自意識過剰(他人にどう思われるかを気にすること)がブレーキをかけ、思ったことを思った通り行動することができない。」

これはどういうことかというと、ありのままの自分に自信が持てていないので、ありのままの自分による対人関係を回避している。もし、自分ひとりで部屋に居たら自由に振る舞うことができるのにと。この原因も、共同体感覚の欠如によるもの。

「自己への関心」=Self interestを
「他者への関心」=Social interest
に切り変え共同体感覚を持てるようになること。

そこで重要になるのが、「1⃣自己受容」と「2⃣他者信頼」と「3⃣他者貢献」の」三つ。

1⃣「自己受容」とは

できない自分がいたらその自分もありのままに受け入れ、できるように前に進んでいくこと。60点の自分を悲観することなくそのまま受け入れた上で100点を取るにはどうしたらいいのかを考えられること。100点満点の人間などいないのだから。

自己受容は「自己肯定」とは明確な違いがある。
「自己肯定」は
できもしないのに私は強い、私はできると自らに暗示をかけること。これは自らに嘘をつく生き方でもある。60点の自分に今回はたまたま悪かっただけで本来なら100点が取れるはずだと言い聞かせること。

自己受容は「肯定的なあきらめ」ともいえる。諦めとは悲観的な言葉ではなく、本来「明らかに見る」という意味がある。課題の分離もそうですが、
◍変えられないものと変えられるものを見極めること。
何が与えられているかは変えるることができないが、与えられたものをどう使うかは自分の力によって変えていくことができる。

変えられないものに注目するのではなく、変えられるものに注目し、変える勇気をもつこと。これが自己重要ということ。能力が足りていないのではなく勇気が足りていないだけなのです。


自己受容とは自己肯定感というイメージですが、アドラー心理学の中では自己肯定=過大評価的な感じにとらえてますね。自己肯定もありのままの自分を受け入れるというイメージですが、できていない自分は受け入れておらず、自分はもっとできるんだと思うのが自己肯定なんですね、アドラー的には。一般のイメージの「自己肯定感が低い人」というのはアドラー心理学では自己受容感が低い人と言い換えて考えるとよさそうです。ありのままの自分を受け入れられない人が自己受容の低い人。

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