アドラー心理学㉖経済的に優位かどうかなんて人間的な価値には全く関係ない
横の関係の例でもう一つ
専業主婦に対し夫が「誰のおかげで飯が食えているんだ」などと罵る男性がいる。金銭的に何の不自由もさせていないのに何の不満があるのだという話も聞く。なんと情けない話だろうか。
経済的に優位かどうかなんて人間的な価値には全く関係ない。
会社員と専業主婦は働いているいる場所や役割は違うだけ。
「同じではないが対等」なのです。
彼らは対人関係全般を縦の関係でみてお、り女性から賢くなること・堂々と意見されること・自分以上に稼ぐようになること。つまり妻より自分が低く見られることをを恐れているのでしょう。それは強烈な劣等感を隠し持っているのです。劣等感とは縦の関係の中から生じてくる意識である。
人は課題の分離になぜ介入してしまうのか?
その原因も縦の関係にある。介入によって相手を望ましい方向に導こうとする。つまり、
自分は正しくて相手は間違っていると思い込んでいる。
子供に対し勉強しなさいという親。これも介入の典型ある。親にとっては善意のつもりであるかもしれないが結局は他人の課題に土足で踏み込んで自分の意図する方向に操作しようとしている。
かといって何もせずに見過ごすわけではない。「介入」ではなく「援助」をするのだ。
勉強は子供の課題だと理解したうえで、勉強しなさいと上から命令するのではなく本人に自分は勉強ができるのだと自信をもたせ、自らの力で課題に立ち向かっていけるように働きかけること。
強制するのではなく課題を分離したまま自力での働きかけを援助する。
こういった働きかけのことをアドラー心理学では「勇気付け」と呼ぶ。
人が課題を前に踏みとどまっているのはその人に能力がないからではない。課題に立ち向かう勇気がくじかれていることが問題なのだと考える。
それは褒めることではない。あなたが褒められることに満足し、その関係に従属していればそれはあなたは自分に能力がないという事を認めていることと同じなのだ。なぜなら、人は褒められることによって自分には能力がないという信念をを形成していくからだ。
褒めてもらうことが目的となってしまうと、それは結局は他者の価値観に合わせた人生を歩むことになってしまう。
まずは課題の分離をすること。そして、お互いが同じではないが対等な横の関係を築くこと。勇気付けはその先のアプローチになる。
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