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リズミカリズム

こころが遠く風船になって飛んでいった。
宇宙の目をした少年のまばたきが
はしっこの星の風になって
暖かい春を呼び花が咲いた。
少し後に飛んでいったのが風船で
その風船が空を這ってるをみてたら
なんだかかなしい気持ちになって
だけど街のレコード屋は休みだし
ランドセル背負った2人が
僕の方見て逃げて行くし
また空を見て風船の行方を目で追うしかありませんでした。
きっとあれは宇宙まで飛んでいって
星々の一員になって
どこへいったのか僕は分からなくなってしまうでしょう。
まるで最初からなかったかのように飛んでたことすら忘れてしまう。
ちっぽけで
間抜けで
退屈で
孤独で
自信のない
あの風船を今だけでもしっかり焼き付けようと
僕はぎろっと目をかっぴらいて
風船が宇宙の空に向かっていくのを見届けました。
街のレコード屋が開いていれば
陽気なダンスでもしている頃に
風船は宇宙へとたどり着きました。
その瞬間パンと破裂して
僕の目には宇宙だけが残りました。
涙が溢れて瞳の中の宇宙がぐらぐら揺れて
僕は可笑しくなって目を瞑りました
星が踊っているみたいだなあ
宇宙の欠片が一滴アスファルトに落ちて
僕は風になりました
風はしばらく旅をした後くたびれて
どこか遠くの星の
産声になりました。

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