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『バーナード嬢曰く。』の二次創作を書くのなら

毎巻楽しみにしてる漫画『バーナード嬢曰く』。最新刊が出たの読みました。うーん、今巻も最高。好きな話ばっか。

本作は「読書」についてのあれこれを面白おかしく描いたギャグ漫画で、登場人物は4人しかいないのだけど、それで十分。というか最小人数で行われるそのやり取りにこそ良さがあって、台詞とか絵が妙に印象に残るんですよねえ。
私も使ってるなあ「今更読んだ」って言い回し。ちょっと使い慣れてない言葉をこれみよがしに感想文で使ってみたくなるのもめっちゃわかる。ていうか1番最初の『ドラえもん 0巻』についての会話、自分のことを言われてるかのような気持ちになって赤面しそうだった。

本に飽きた主人公の一言が「よく見るとなんか字ばっかかいてあるし…」ってのも笑える。いや本ってそういうもんだから笑。そして合間合間で挟まれるド嬢と神林の仲良さそうなやり取りには相変わらずほっこり。
ディープに長々と展開される神林の伊坂幸太郎論。「倍速コナン」というパワーワード。「マンデラ効果」と絵本について。"読書欲をかき立てる"というよりも、"読書をしてる自意識が刺激される"ってところがこの漫画の愛すべき点で、出てくる本を読んでなくても、なんなら読書に興味がない人でも楽しめるのがすごく良い。
長谷川さんが人に見せられない内容の二次創作を書いてるのは納得感あったな。私も書くか『バーナード嬢曰く。』の二次創作SS。高校を卒業して大人になった神林が、突如姿を消したド嬢の行方を追う探偵小説風味なディストピアSFにしようか(それまんま『ハーモニー』やないか)。遠藤くんが主役でもいいな、カフカ的な不条理小説が似合いそう。自分が書いたもののポジティブな反応って、当たり前だけど嬉しいし、どこか気恥ずかしいし、やっぱり超嬉しいよね。

やー、終わり方も含めてほんと良かった。友人と「ここ10年くらいに出会った漫画で一番好きな作品は?」って話をしたことがあるのだけど、答えはふたり揃って『バーナード嬢曰く。』だったのを思い出した。その感覚はいまも変わってないなと実感。
あと今回構図とかポージングにこだわりを感じるコマが多くて萌えました施川先生。「本当の問題が発見できたようだね」とか「一蹴したい」のコマは煽りにも使えそう。


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