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きつねの本棚(ノンフィクション)

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読んだ本のうち小説以外の本をまとめたマガジン。愛読書は『読んでいない本について堂々と語る方法』です。
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#読書感想文

マシュー・ルベリー『読めない人が「読む」世界 - 読むことの多様性』

趣味であれ仕事であれ勉強であれ暇つぶしであれ、「文字を読む」ということは多くの人が社会生…

傘籤
3か月前
51

岡真理『アラブ、祈りとしての文学』

いつか明るい展望が開かれるのだと信じ、戦いに身を捧げる人たちがいる。そう信じることなしに…

傘籤
6か月前
35

デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ『万物の黎明 人類史を根本からく…

いわゆる「ビッグ・ヒストリー」について書かれた本はここ20年くらい日本でも海外でも人気のジ…

傘籤
7か月前
86

ウォルター・アイザックソン『イーロン・マスク』変人の素顔と、その本質

彼が誰かと言われたら、答えてあげるが世の情け。世界の破壊を防ぐため、世界の平和を守るため…

傘籤
9か月前
38

高野秀行『イラク水滸伝』おいでよ アフワールの湿地帯

高野秀行はデビュー作『幻獣ムベンベを追え』の頃からずっとあまり人が行きたがらない、行こう…

傘籤
11か月前
70

ライアン・ノース『科学でかなえる世界征服』

冗談みたいなタイトルの本だったのでおもしろそーと思い読んでみました。本書は世界征服を企む…

傘籤
11か月前
50

稲葉振一郎『ナウシカ解読 増補版』発掘記事

はじめに 漫画版『風の谷のナウシカ』は私が読んできた漫画の中でもオールタイムベスト10に入るくらい好きな作品で、視野の広さ、哲学性、戦記物としての面白さなど、中身が濃く魅力の多い作品だ。アニメ版とは異なる旅路、そして結末は作者である宮崎駿の深い洞察が反映されているのだが、その分難解な点もある。この『ナウシカ解読』はそんな『風の谷のナウシカ』という作品を多角的に分析した本で、きっと作品理解に役立つだろう。作者である稲葉振一郎は1963年生まれ、東京都出身の社会学者さん。専門と