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「駒田蒸留所へようこそ」を観てきました

久々にレイトショーで映画を観てきました。作品は11/10に公開された「駒田蒸留所へようこそ」です。サントリーの白州蒸溜所や今年もワイン工場を見学する程度にはお酒が好きなので、公開を楽しみにしていました。

本記事では理系ならではの感想も書いていきます。未視聴の方はネタバレにご注意ください。

ウイスキーが飲みたくなる「駒田蒸留所へようこそ」

舞台は経営危機に瀕するウイスキー蒸留所が舞台で、早見沙織さん演じる若手社長と小野賢章さん演じる雑誌記者がそれぞれの立場から幻のウイスキー復活を目指す物語です。
ウイスキー造りが物語の根幹のため専門用語が出てきますが、お酒を知らない人でも楽しめる内容です。

もちろん視聴後は無性にウイスキーが飲みたくなり、秘蔵の白角を飲みながら感想を書いていきます。

ここから先は感想を書いていきますのでネタバレ注意です。
未視聴の方はご注意ください。

秘蔵の白角も残り僅かになりました。イラストカードは入場者特典です。

品質管理の視点からの感想

仕事で品管の仕事をしているので、どうしても品管の目線で観てしまう部分がありました。

ブレンディングの作業が楽しそう

白衣を着て原酒を組み合わせるブレンディングの作業が楽しそうでした。
定量ピペットを使用してメスシリンダーで掛け合わせて評価する作業は化学実験そのものなので理系として胸がときめくものがあります。「定量ピペット二回押し切っているかな」「ピペットチップは変えなくて良いのかな」と細かいところは気になりました。

火事はやはり怖い

作中で駒田蒸留所の原酒保管庫が火災になるシーンがあります。
参考までに白角のアルコール度数は40%なので、ウイスキー蒸留所の火災になった時にリスクは高いですね。
原因は漏電とのことでしたが、物語の序盤で主人公の雑誌記者が配電盤に力を入れて操作していたのでヒヤヒヤして見ていました。

アルコールを蒸留する工程でアルコール濃度が重量比 60%以上になると消防法の危険物に該当します(※1)。そのためもし該当する場合は、「原酒保管庫の区分は製造所かな…いや貯蔵所か」「ストック始めたばかりだから指定数量未満なのかな」「危険物に該当しなくても消火器置いた方が良いな…施設も防爆使用にして」「火事が起きたから再発防止対策まとめて消防署と擦り合わせ大変そう」と夢の無いことを考えつつ視聴していました。

石の上にも三年…?

ウイスキーは熟成させるために3年はかかると言いますが、仕事も3年は続けた方が良いと聞きますね。私も転職した経験がありますが、3年経験すると会社の内情や社風に馴染んでくるので、自分なりのやり方も習得できます。
ただ酒造りは水が命なので、仕事も水が合わない場合は3年未満でも転職して良いと思います。腐ってからでは手遅れなので。

お酒好きじゃなくても楽しめる

他の作品は未視聴なのですが、P.A.WORKSさんのお仕事シリーズなので「働く方への応援」というメッセージ性があります。
主人公の雑誌記者の青年の凡ミス(訂正前の記事をアップ)は私も胃が痛くなる思い(分析結果の数値の桁を間違えて報告して大目玉)がしました。
それでも周りをリスペクトして真摯に取り組めば「やりがい」や「仕事を続ける理由」を見つけることができるのだと思います。
個人的にはウイスキー製造の工程をもっと掘り下げて見たかったのが本音ですが、逆に言うとコンパクトにまとめられていてお酒好きじゃなくても楽しめる作品になっていると感じました。

駒田蒸留所みたいな場所で働きたいな…と弊社から目を逸らしたいですが、月曜日から仕事を頑張って色々勉強しようと思います。

※1:総務省消防庁のフローチャートより

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