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秋の訪れ、祖母のごはん

2024ねん10がつ4にち金曜日 はれ

胸いっぱいに吸い込む空気がひんやりとして心地よい。この感覚はいつぶりだろうか。懐かしささえ感じる。
母が言っていた、雨が過ぎると秋になるというのは本当らしい。あれだけ蒸し暑かったのが嘘のように空気は冷え、鬱陶しかった日光が心地良いまでになっている。カレンダーを捲るように一晩で季節が変わってしまった。
特に好きな季節はなかったが、私は秋が好きなのかも知れない。嘘だ。全ての季節が好きだ。だが過ごしやすいのは秋だろう。

秋と聞いて連想されるものは何だろう。
食欲の秋?読書の秋?運動の秋?
私は断然食欲派だ。先述の3つを並べたときに一番最初に出てくる時点でお察しである。
祖母は私によく食べさせてくれる人だった。かなり食べさせてくれる人だった。正直今肥満体型になっていないのが不思議なくらいだ。食べさせてくれるご飯はどれも美味しかった。
飴色の玉ねぎがたくさん入ったとろとろ卵のオムライス。関西風お好み焼きみたいだが何か違うキャベツがたくさん入った変なやつ(なにあれ)。父が釣った新鮮な魚を祖母が捌いてくれた刺身。甘め(でちょっと焦げている)な唐揚げ。隠し味にりんごを入れただいぶ甘いカレー。どれもが私の好物だった。祖母は全て目分量で作っていたが、私は隣で見ていたので作れるものもあるだろう。カレーは再現済だ。
祖母の中では私は中辛が食べられないくらいの子供だったのだ。中学校に入ってもカレーはバーモン○カレーの甘口だった。
刺身も頑張れば再現できるだろうか。私の三枚おろしは結構不格好なのだ、精進しよう。祖母はどんなに小さな魚でも刺身にしてくれた。10センチほどの小さな魚が刺身になって出てきたときはたまげた。無理だろそれは。なんで出来ていたんだ。

秋になると祖母はよく秋刀魚を食べさせてくれた。毎年親戚から届くすだちを半分に切って皿に添えてくれた。
パリパリに焼けた皮を箸で破り、醤油とすだちを垂らしてふかふかのお米と食べるのが好きだった。日本に生まれて良かった。今年は秋刀魚が安いらしい。久しぶりに食べたいものだ。漁業関係者のみなさんありがとう。
よく焼き芋も買ってくれた。スーパーのそこだけ違った雰囲気を纏う焼き芋の機械の中から大きくて甘そうな芋を選んで買ってきてくれた。食べるのに苦戦していたら毎回皮を剥いて渡してくれた。優しい。

皆さんは焼き芋、ホクホク派とねっとり派、どちらだろうか。
雨宿はどちらも好きだ。
祖母が買ってきてくれていたスーパーの焼き芋はねっとり系。近所に回ってくる石焼き芋の移動販売の軽トラで売っているのはホクホク系だ。高いのだがとても魅力的に感じる。
トラックのおっちゃんがトラックの荷台の機械?からアルミホイルに包まれてギラギラになった芋を出してくる瞬間が一番わくわくする。いいよね、あれ。結構な値段がするので少し特別感がある。なんと言ってもワンコイン、500円。どひゃあ。スーパーのものが何本買えるだろうか。ちなみに焼き芋のトラックのおっちゃんも人が良い。たまにおまけしてくれる。これが人情ってやつ?
正直頻繁に食べると飽きてしまうが、しばらく食べていない。食べたい。今はホクホクの気分だ。

そういえば、スタバなるところでお芋の飲み物が出たらしい。そしてもうすぐ終わるらしい。たぶん今シーズンは飲めない。
実は雨宿、スターバックスなるところに一度も行ったことがない。店も店員も客もお洒落すぎて怖気づいてしまうのと、あと、まぁ、値段だ。普通に買えるのだが、ほら、まぁ、飲食にかける700円と推しにかける700円は違うではないか。オタク思考だ。あと単純に他のものでお腹いっぱいになれるな…と思ってしまう。コンビニのおにぎり5個くらい買えるのではなかろうか。だが私も華の10代女子だ。一度は行ってみたい。あのお洒落空間には憧れが詰まっている。
だが結局はまた今度にしよう、となってしまう。スタバは逃げないから良いのだけれど。

秋が終わる前に色々な秋限定を試しておきたい。案外秋は一瞬で終わる。夏の面影はもうどこにもないのだ。


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