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祖父のお見舞いに行く。

昨日、入院している祖父のお見舞いに行った。

祖父は現在88歳の米寿であるが、数年前から原因不明の脳の異常により、足が前に進まず、歩行が困難になってきていた。

それ以外は心臓の手術などはしたものの、基本的には元気で、頭も回転しており、活発な人であった。

そんな祖父が数日前、自宅で転倒し、骨折して入院することになってしまった。
入院後に肺炎にもかかり、食べることがほとんどできず、チューブから栄養を補給している状態が続いている。

医者からは、このまま延命治療をすれば、しばらくは生きながらせることはできると言われた。
そんな折、「延命治療はしない」と書かれた祖父のメモが見つかり、どれだけ生きられるかはわからないが、延命治療はしないこととなった。

そのような状況で、私はもう長くはないであろう祖父に会いに行くため、私が住んでいるところと同じ県内に入院している祖父に会いに行った。

病室の扉を開けると、そこには祖母がいた。
「よく来てくれたねぇ」と言って祖母は私を迎え入れてくれた。

深刻で、寂しげな状況なのかなと、勝手に想像していた私は少し安堵した。

ベッドにはチューブや酸素濃度を測る機械に囲まれた祖父の姿があった。
しかし、祖父を囲っている医療器具たちの深刻さとは対照的に、囲われている祖父の表情はもの優しく、和らいでいるように見えた。

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