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痺れてしまう瞬間

手に汗握る。心拍数が上がる。ドキドキする。痺れる。

誰かが言った。そんな感情は若いときだけだ。だから若いときになるべく多くの挑戦をしなさい。と。

そんな感情を久しぶりに感じさせてくれたのは、画面に写る彼だった。
身近な人が戦っている姿、そして勝利を手に掴もうとするまさにその瞬間、自分の感情はかつて部活動をしていたあの時に戻った。

9回1点差、打てば逆転サヨナラ勝ちの時。
引退がかかっている最後のあの打席。

痺れる瞬間ほど尊い経験はないんじゃないか。
心がどうしようもなく揺さぶられて。でも揺さぶられすぎると手に届く成功が離れていく。いつまでも感じていたいわけじゃないけど、それを欲する自分がいる。

年齢を重ねるとともにあのドキドキ感は減ってきてしまう。
緊張とはまた違う、あの高揚感は簡単に手に入れることが出来なくなる。

だから、OBOGはみんな後輩の試合を見に行く。
あの頃に少しだけ戻ることが出来て、それでいて痺れる瞬間に立ち会える状況を追い求めてしまう。
だから応援に来たOBOGを煙たがらないでいただきたい。
偉そうにしたいわけじゃない。
ただ痺れるくらい本気になれる感情を追い求めているだけなのだから。

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