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頼んだ音楽が気に入らなかったら(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

自分の作品にオリジナルの楽曲を付けたい。

誰もが思うことでしょう。
そして、ミュージシャンや作曲ができる人を見つけて、音楽を依頼します。

で。

もし、作ってもらった音楽が気に入らなかったら?


親しい人ならば、作り直してもらえるかもしれません。
でも、ネットで知り合ったり、年上の人だったり、名のある人だったら・・・。


何年も前のことになりますが、ある監督さんの話です。

彼は知り合ったばかりの作曲家に音楽を依頼しました。
ところが出来上がってきたものがまったく意図と違っていたようです。

でも、作り直しを依頼できるような間柄ではなく、結局彼は、編集ソフトでその音楽を切ったりつなぎ変えたりスピードを変えたりしてずいぶんといじってみたわけです。

怒ったのはその作曲家です。

その音楽はもはや自分の作品ではない、自分の名前は絶対にクレジットから外してくれ、ということになったんですね。

僕は双方の気持ちが分かるだけに、コメントもできず苦笑いするだけでした。

次は僕自身の話です。
そろそろ時効かな、と思うので思い切って書きます。

知り合いのつてをたどり、とあるロックバンドのミュージシャンに
主題歌を頼むことになりました。

その道ではかなり有名なバンドのようで、インディーズながら全国ツアーをやり、熱烈な追っかけもいるとのこと。

ビジュアルもかっこいい数人組で、確かに女性ファンが多そうなのもうなづけました。

そのリーダーに、本当に忙しい合間をぬって曲を作ってもらい、主題歌ができあがってきました。

しかし・・・

どうしても、

どうしても、

好きになれなかったんです。

悩みました。

気に入らないなんて言えない・・・

作り直してなんて言えない・・・

曲を、何度も何度も聴きなおしました。

でも・・・

紹介してくれた人の顔もつぶしてしまいます。
見たことのないファンの人たちの怒る顔も浮かびました。

1週間ほど悩んで悩んで悩んで悩んで、結局、その曲を使うのを止めました。

そのミュージシャンとも、その時点で関係は終わりました。


しかし僕が感動したのは、そのバンドリーダーの反応です。
彼は一切、言い返しませんでした。

「映画は監督のものです。監督が決めることですから」

彼らが人気があるのは、分かる気がします。


今は、僕の映画作品は、いつも同じ音楽担当に作ってもらっています。

彼とはもう10年以上の付き合いになり、とても気楽に修正依頼をしてます。

僕のアドバイスとしては、新しく知り合った人も、まずは信頼関係を作って行くところから始めるのが実は一番の近道ではないか、と思っています。


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