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撮影方法の難易レベル9段階(初心者の映画制作講座)

この記事は、「映画/動画が作れるようになるメールマガジン」の過去のものからピックアップしてご紹介しています。

ちょっとテクニカルな話をします。

絵コンテを見て、そのカットの撮影が簡単かどうかってすぐ分かりますか?

ヒントは、カメラマン及びカメラが動くかどうか、にあります。

僕は絵コンテを描く時、つまり、シナリオを読みながら「どうやって撮影するかなー」と考えている時、自然と、カメラマンの撮影方法について考えています。

絵コンテの一コマ一コマを描きながら、その具体的な撮影方法をイメージしているんですね。

絵コンテを描くことで、撮影方法の難易度とそのスタッフ構成が分かります。

ふーん、そうなんだ・・と思うかもしれませんが、実はこの段階で、その後に続く映画の撮影がどの程度の航海に出て行くのかが決まってしまうんです。

そこで今回は、かなり独断と偏見によりますが、僕が普段考えている『レベル別撮影方法』をまとめてみます。

[撮影方法のレベル]

※数字が増えるほど、難易度が上がって行きます。

  1. (三脚)そのまま撮影

  2. (三脚)横振りパン・縦振りティルト

  3. (三脚)ズームイン・アウト

  4. (三脚)移動撮影(ドリーなど)

  5. (手持ち)そのまま撮影

  6. (手持ち)横振りパン・縦振りティルト

  7. (手持ち)ズームイン・アウト

  8. (手持ち)移動撮影

  9. (足場が上下左右動く)・・・


レベル9は、クレーンとか、空中撮影ですね。

レベルが上がるほど、映像はドラマチックになっていきます。
だからこそ、下手にレベルの高い撮影方法を選んでしまうのです。

★経験の少ない方は、ついついあらゆるカットを「無駄に」かっこよくしようとします。
(※かつての僕がそうだった)

しかし、レベルの高い撮影方法は同時に、いい映像を撮るのが難しくなります。

例えば、

  • ズームイン・アウトは、役者の動きとのタイミングが合わず、撮影に時間がかかる。

  • 手持ちはブレが生じて、逆に映像が安っぽくなる。

  • 移動撮影は機材のセッティングに時間がかかり、タイミングが難しい。

    などなど。

一般的なカットは、撮影方法のレベルを下げておく。
一方で、「これは!」というシーンやカットは、レベルの高いかっこいい撮影をする。

撮影現場で「これはいい!」と思ったら撮影レベルを上げることもできます。
撮影していて「いやはや難しい」となったらすぐにレベルを下げた撮影に変更する。

話を戻すと、こういった判断は、絵コンテを描くときに終わらせておけるのです。

そうすることで、それぞれのカットに必要な特殊機材の準備ができます。
また、レベルの高い撮影のために、技術力のあるカメラマンが必須、なども分かってきます。

逆に言うと、レベルの低い撮影ならば、セッティングをしてあげて「見とくだけでいいから」という依頼も可能になります。

絵コンテは、ひと・機材・スケジュールにからんだ、万能の設計図なのです。


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