マガジンのカバー画像

知の連鎖ー文化・歴史・芸術のはなし

4
知識と知識が結合して連鎖反応を起こすマガジンを目指しています。 分野としては主に文化、歴史、芸術を中心に。 著者の仕事は、文化領域の実制作をしています。
運営しているクリエイター

記事一覧

教養と知性、感性について

教養とは論理と理性の範囲に入るものではなく、感性によって感得した知的経験のことを指すものではないだろうか。教養が知性を育む。知性ある者は感性も鋭いと言える。従って、知性と感性とは不可分だろう。 昨日、文化芸術事業を営んでいる友人に招かれ、文化事業に関わる数人と焼肉をご馳走になった。その際に、教養と知性とは何か?という議論に至り、自分なりに理解が深まったので備忘録的に記したいと思う。 理性と論理、感性と知性についてまず、私の認識論の立場は、エマニュエル・カントに従っている。

平安の世から継承された着物の技術が日本の高度経済成長へ 〜日本独自の奥の神聖視〜

先日、知人の事業家と談話中、興味深いことに気づいたことがあったので、備忘録として記す。 日本の高度経済成長を支えた基幹技術であるカメラのレンズの開発と着物の技術は同じだと言うのだ。 それは、日本の価値観の一つ「奥」に神性を見出すというところにある。 「奥」こそ神聖不可侵の領域神聖な領域、つまり聖域(Sanctuary)がどこにあるかということを考察することで、その文化の価値観を捉える手助けになる。 聖域はそのまま、建築に表れやすい。 文化は比較することで浮き彫りになる

日本語には一音づつ意味がある?一音一義説について

日本語の一音一音には意味がある。という説を一音一義説という。音義説とも言う。 例えば、「あ」という音には、"明るい"などという意味があり、"木"を意味する「き」と組み合わせると、"明るい木"、即ち、"紅葉"、即ち「あき(秋)」という意味になる。と。 また、「あ」とは、"明るい"に連想し、"物事の始まり"をも意味するなど、その一音が象徴する意味を連想ゲームのようにして考えることができる。 藤原姓には特別な意味が込められている私が、この説を知ったのは父の家の書棚にあった神道

若者ことばは言語の成立過程じゃないか?

※私は言語研究者ではありませんので、記載内容の真偽、信憑性について保証できません。できるだけ正しいと思われる内容を記載していますが、何か間違いがあればご指摘ください。 若者の日本語の乱れは昔から叫ばれている。 古くは平安時代、清少納言も当時の言葉の乱れに遺憾の意を示していたという。 ※現在でいうラ抜き言葉のような乱れが当時あったため、それに対して否定的だったようだ。 いわゆる、ググる、ドヤるなどの若者ことば大阪教育大学が発行している若者ことばに関する資料を発見した。