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noteのヘッダーをAIで作る。

 今年に入ってから、noteのヘッダーにAIで生成した画像をちょくちょく用いている。

 美術展のレポートであれば撮影した写真を使えば良いので問題ないのだが、問題はそれこそ今回のような雑文を書いた時。特にnoteのアイコン(あるお店の窓ガラスに映った自分の影)は自撮りで、ヘッダーがないとアイコンが代わりに表示されるため、自撮りが並ぶというのもちょっと気持ちが悪い。
 本当は文章にちなんだ写真とかが撮れればベストだが、必ずしもそういうものが見つかるとは限らない。特に現在は休養中ということもあり、素材が無いからと言って、この炎天下に気安く外出するわけにもいかない。かといってネット上の画像やスクリーンショットを気安く拾って使うことにも、著作権のことを考えると抵抗もある。
 そしてもう一つ、AIに「使われない」ためにも、ある程度AIの「使い」方に習熟しておきたい。AIに限らず、いくら自分の立場が奪われるからと言って、いつまでもラッダイト運動をやっているわけにもいかない。欠点も考慮しつつ、どういう使い方をすれば自分にプラスに働くか、いかにAIと融和していくか、実際の使用を通じて考えることも一つのやり方だと思う。

 この半年間で私が身につけた流儀としては、特に思いつくものがないときはなるべく「意味のないもの」を意識するようにしている。要は「埋め草」と、はっきり言ってしまっても良いかもしれない。
 阿部寛のホームページを敬愛する自分としては、少しでも表示時間を早めるためなるべく低画質なものを使っている。また、個人的には抽象芸術が好みということもあり、なるべく観念的な画像を使用することが多い。ただし、マガジンのヘッダーは具体的にしないとちょっと判別しにくいということもあり、こちらは古代ギリシア・ローマ風の石像など、記事よりも具体的な題材を用いるようにしている。いずれも実在しないフェイクなので、その取扱は要注意ではあるのだが、なるべくリアルに見えない、いかにもAIで作った感のCGであるようにはできている…と思う(実際そう見えるかどうかは、各人の「目」次第なところもあるが)。

 AIを使う場合に限ったことではないが、ブログ全体のテーマに沿った画像選びは大切だなと思う。というのも、今回も他人のアカウントを見て、その点について考えてしまう場面があった。

 その方はある学問分野の専門家であり、研究者さながらの玄人はだしで硬派な文章を書かれている。以前までは自分で撮ったと思われる、テーマに沿った写真を用いられていたが、ある時、突如としてAI生成の、氏のテーマにはほぼ無関係な、猫耳の、いかにも昔の深夜アニメ風といった趣の女性CGを使用されていた。文章とはかろうじて「女性」というテーマにかすっているだけであり、猫耳はおろか、アニメやオタク、サブカルチャー文化を題材としているわけではない。

 こういうヘッダーが使われていると、硬派な文章内容よりもそっちのほうが気になってしまう。もちろん猫耳に魅力を感じているわけではなく、常連読者としては「なんでこの画像?」という目線だ。私と同じ「埋め草」的な発想であるとしても、この「埋め草」は少々目立ちすぎる。
 PV数だけを考えれば、専門にまつわるマニアックな写真より、猫耳のほうがむしろアクセスアップにはつながるのかもしれない。しかし、猫耳に興味のある読者が氏の学問に興味があるかと言えば疑わしい。それはただ「いっぱい見てもらった」というだけで、そこから果たして何人が読者として残ってくれるか。
 それだけではない。こういうコンテンツは「猫耳に興味は無いが、氏の学問に興味がある」という、言ってしまえば氏にとって良質なフォロワー・読者、大きな理解者ともなりうる存在を手放してしまうリスクもある。特にアニメ文化はもともとメインカルチャーを志向していた作品ばかりではなく、暴力や性表現を不健全に取り扱った、いわばサブカルチャーのままマーケットが巨大化し、メインカルチャーっぽくなってしまったというようなケースも存在しているため、読者によっては嫌悪感を持たれることは覚悟しておく必要がある。いくら本文が面白くても、表紙にも相当するヘッダーがこうだと、そのフォロワーは読むこと自体を止めてしまうかもしれない。

 本人としては趣味・自己満足のつもりかもしれないが、公表する以上は読者がいる。そして読者は文章のみならず、ヘッダー等も含めて一つの大きな「作品」として把握する。そういう点からも、「作品」の文脈に沿わない画像は使わないほうが良い。美術アカウントであれば美術を連想させる画像、さらに言えば、自分のブログのスタンスを踏まえながら「場を乱さない画像」を使うのが無難だと思う。


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