見出し画像

人生から五感のひとつが奪われる!突発性難聴になったときの記録メモ。

こういう非常事態のとき、ストレスってたまりやすいもの。もしも、突発性難聴になってしまった人が、コロナで病院をガマンしてしまったら…?
いま、病院は怖いかもしれないけど、一生聴力を失うことも怖い事だと思います。判断は人それぞれですが、もしよければご参照ください。
数年前に重度の突発性難聴になったときのメモを発見したので転載します。

↓↓↓

体も心も、実は自覚している「突発性」の病気

入院してすこし落ち着いたので書いてみます。
驚きました、まさか自分がなるなんて。
いや、嘘です。なんか、ちょっとやばいかもな、とは思ってました。
なにか体に良くない影響がそろそろ出て来る、この生活がずっと続くと思うとまずいかもしれないな。そう思ってました。

でも、なる人は、みなさんこんな感じじゃないかなと思います。

めっちゃ働いてるなとか、めっちゃ心が疲れるなとか。そんな状態から崩れる人が多いはず。
とはいえ、この病気はまだ原因不明なのが実情です。
エビデンスが取れる範囲では、ウイルス性か、血流の滞りとかだと言われているらしいです。メンタルなんて測れないもんね。だから、正しい姿勢を心がけるとか、パソコンやりすぎてストレートネックにならないようにとか、大事ですよね、きっと。ちなみに私はストレートネックですアハハ。


とりあえず、この病気になってしまったらできることをシェアしたくて書きます。

意外と身近な病気であることもわかったので。
軽度の方は、ここまでいかないかもしれませんし、あくまで私個人の体験に基づくものですので、参考までに。

☆48時間以内の投薬開始を。
軽度重度関係なく、症状が出たら全てを投げ打って治療開始すること。
聴力が回復するかどうかは、この48時間にかかっています。
☆辛かったら救急車を。
私の場合、深夜に発症し、明け方には目眩のレベルを超えた、
超世界回転系の目眩に襲われました。
360度回転する世界で、寝ても這ってもいられません。ベッドから勝手に落ちては嘔吐みたいになり、本当に本当に辛いです。朝を待てずに119をお願いしてしまいました。
☆動けるなら、すぐに耳鼻科へ!大学病院でも!
☆ステロイド点滴が主な治療。
点滴自体は1回につき、2〜3時間くらいで終わる。通いでもできますが、毎日やらなきゃダメです。なのでフラフラして交通事故にあいそうとか、駅のホームから落ちかねない状態なら、入院の方がいいです。(私は世界がブレまくりの振動しまくりで、回転系の眩暈のせいで自分が倒れかかってたとしても、それが自覚できない状態でした。そうやって頭を打って死ぬのが最悪の事態なので入院した方が…と先生にも言われました)
☆できれば高気圧酸素療法ができる大きな病院へ。
都内は四箇所だそうです。私は東京医科歯科大学にお世話になっています。
これが効くかどうかは正直お医者さんもわからないそうです。ただ、気圧で耳を刺激するので、これをきっかけに改善する方もいるのだそう。


突発性難聴になってからのタイムライン

ここからは体験を追ってつらつらと書きます。
■聞こえが変わる
はじめは、片耳がぼわーっとして、なんだか聞こえにくいなあ、それだけなんです。で、わりとすぐ、耳を手で触っても、その音が聞こえなくなりました。何も聞こえなくなりました。(耳を触って見てください。ふつうは、音、するでしょう?)

ぼわっとした状態が続く人もいれば、
すっと聴力がなくなる人もいるらしい。

私は後者でした。3時間もなかったかもしれません。だから逆にすぐに対処ができたとも言えます。そのスピードに結構焦りました。
いつ、残された健康な耳からも音が奪われるかわからない。
みんなの声、覚えておかなきゃ。そう思ってスマホで動画を必死で見ました。大好きな歌も。
(関係ないですけど、その時は、the greatest showmanの”This is me”→この動画、ほんと素晴らしい。この曲を思いだしたら、もしこのまま聞こえなくなっても「This is me!」で頑張れる気がしました。治すけど!)
でも、それが良くなかった!
スマホを右に置いていたのに、音が聞こえるのは左だけ。
それが違和感の引き金となったようで、

■激しい目眩が始まりました。
三半規管がだめになって、えげつない船酔いのような、逆らいようのない目眩が訪れます。はじめは気力でえいやっと止められました。お風呂も入れたくらい。
あ、コレ、どうでも良いかもですけど女性にとっては大事なTIPSです。

お風呂、入れるうちに入ってください!!
頭を洗う=頭が揺れる=目眩爆発
なので、目眩が定着する段階になると、頭なんてとても洗えません。

私、月曜から入院してますが、まだ3日間洗えてないです…(涙)

■物が胃に入っている限り嘔吐は続く
目眩がはじまったら、吐ききってしまったほうが楽かもしれません。

■搬送
明け方、旦那が見かねて119してくれたのですが、正直ここから担架で運ばれ、車に揺られるなんて地獄だと思いました。
でも!救急隊の方が、頭を固定できる担架できてくれて、固定され途端にかなり目眩が楽になりました。
なので、車で向かう時等は、なるべく手などで頭を固定したり、体を揺らさないようにしてあげてください。揺れた瞬間、目眩で倒れる。そんな気持ちでいてください。
軽度なら電車で向かっても良いかもですが、目眩があるとホームや階段は危ないので、一人でふらふらと電車で行くのは絶対やめてください。

■入院
ハウリングと耳鳴りで、入院してこのかたまともに会話を聞き取れません。
保険などのことで電話する機会があったのですが、たった数分の会話で超疲れました。聴力のある方に全部の負担がいっているせいなのかな…
お手洗いや検査はぜんぶ車いすだし、ハミガキしに行くだけでも、危ないからと付き添いしてもらってて、申し訳なさすぎる。私もう30なのにすみません…て感じで恐縮しきる。

完治三割、改善三割の病気

その割合は対処の速さや本人の体力にもよるそうですが、後の三割は考えず、治療に向き合いたいと思います。
といっても、こういう症状になってしまうと、簡単には気持ちが整理できません。仕事を頑張らないといけないのに、頑張りすぎたんだか、方向を間違えたんだかでこうなったわけで。でも考えてしまうと養生できないのもわかっているので、なるべく、考えないようにと、戦っています。とても難しいけど。
なんだか変な感じになってすいません。
この記事の趣旨は、あくまでも、ご自身や周りの方が同じ辛さに出会った時に、力になりたいというだけのものです。よろしくお願い申し上げます。

「改善」どまりの今

上記が当時のメモです。
・まる2年たった今、めまいはほぼなくなりました。
・横になる時だけ、回転性のめまいにやられてボスっと勢いよく枕に着頭してしまいます。
・聞こえは、「改善」レベルなので、やはり高い音は聞こえない。
Suicaのピッとかは、ザッって聞こえるし、川のせせらぎや小鳥の鳴き声とかは聞こえません。なかには、低い音が聞こえない人もいると思います。
・耳鳴りは、ある日2秒くらいだけなくなったのですが、あとはずっとあります。あの2秒の奇跡が忘れられません。しずかで、本当にしずかで、それだけで涙でた~。ら、一瞬で耳鳴りさんが帰ってきた^^

生活はどうしても元気な左耳に頼らざるを得ず、対面で会話するときは耳を向けて斜めの体制で聞いたり、カウンターのように並んで座る時は相手側に聞こえる耳がくるようする、くらいの対処は必要ですが、おおむね問題なく過ごせます。

打ち合わせなんかは、もう、聞こえない時もあるけど、ノリで。
会議室でのテレカンとか鬼ですね。環境によるけど、
全員一気にしゃべらないで!!ハウるから!的な。
画面の向こうの人が何言ってるかほぼわからない時もあります。
でも、ぶっちゃけ、内職やら上の空やらで聞いてない人とかもいるわけだし、そんなに周りと変わらないさ!と思いこむようにしています。

若手・中堅になっていくごとに、働くことを生活の真ん中にもってきてしまいがちだけど、そこには体という落とし穴があります。
ストレス文脈のせいで、よく精神力などの気持ちの問題と混同されますが、決してそうではない。そのことを考えるいい機会になりました。

ちゃんちゃん!