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播磨陰陽師の独り言・第525話「雪が降る降る」

 一月の終わり頃、日本全国で雪が降りました。門司港でも雪となり、朝、病院から迎えに来る車も大変でした。積雪はほんの数センチ。たとえば1センチの雪ならほうきで掃いて終わります。昔は、積雪と言うのはスコップが必要な場合を言うのだと思ってました。
 門司港では、年に数回だけ雪が積もります。積もると言っても数センチ。しかし、わが家は関門海峡大橋の入り口にあるため、雪が降ると、途端に多くのトラックで渋滞します。しかも、家は坂の途中にあるので、車で出入りするのも困難です。
 そう言えば、車の免許を取って最初に公道を走った時は冬でした。まずは雪道の走り方を体験した訳です。雪道を歩くのには慣れていますが、自動車での走行には慣れていません。教えられた通り、何度も細かくブレーキを踏みながら、わだちにタイヤを取られて走りました。
 アニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』では北見の冬が舞台となっていました。この中で、雪に傘を差すお婆さんを道産子ギャルが注意するシーンがありました。お婆さんは雪国の人ではないので、地面が滑った時、傘を差していたら両手が使えず危険なのです。このことは雪国では常識なので、たぶん誰でも知っていると思います。
 雪国では軒下を歩かないとか、不用意に雪の中に手を入れないとか常識となっています。私がまだ幼かった時、雪の塊に手を入れてしまい、指先を切ったことがあります。中にガラスの破片が隠れていたのです。傷口は複雑に切れたため、治るのにしばらく掛かりました。
 また、寒い時は素手で金属を触らないと言う常識もあります。これも子供の頃のことですが、自宅に帰って鍵を開けようとしたことがありました。いわゆる錠前だったので、手袋を脱いでシッカリと鍵を挿そうとした時、錠前を握っていたものですから手が凍りついてしまいました。寒過ぎる日に金属を触ると、そのまま皮膚がくっついてしまうのです。たとえば、道路でよろけて近くに駐車している自動車の屋根などに触ると、そのまま手が離れなくなります。溶かさなければ、そのまま手の内側が凍傷となり、壊死してしまうのです。この寒過ぎる日と言うのは、マイナスの10度以下の日のことですが、マイナス過ぎて、天気予報でいちいち〈マイナス〉とは言いません。

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