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祈りのカタログ・第二十三話「体と共に心は衰える」

 以前、〈導引どういん〉について少し書きました。導引とは大昔に今の中国から来た健康体操のようなもので、肉体のコントロールによって脳そのものを活性化する技法です。
 古い時代の神仙道の本には〈導引〉のことばかり書かれています。これら導引の伝えには、

——肉体が衰えれば、心を病む。

 とあります。
 人には体が衰えると心を病む傾向があります。そして体と一緒に心も衰えるのです。しかし、この心の衰えは肉体と一緒に進行するものではありません。肉体がかなり衰えても心はしっかりしている人もいるのです。
 また、まだほとんど衰えていないような感じのする人でも、心はかなり衰えている人もいます。この違いは脳に関係した体の部位の使い方です。
 人体には、普通に生きていると一生使わない筋肉があります。これは、もちろん、どこかで使っているのですが、年齢と共に使われなくなり、ある時期から後の一生の中で使われなくなる筋肉なのです。その筋肉は脳につながっています。そこのコントロールが出来なくなるので、脳もついでに衰えて、衰える過程で心が衰えると言う訳です。
 だとしたら、

——心が衰えない程度に無理をせず肉体を鍛えれば、心の衰えを防止、どころか進化し続けることが出来るようになる。

 とは、思いませんか?
 昔の人々も、そう考えました。
 心が衰えない程度に無理をせず肉体を鍛えると言うのは、いったい、どう言うことでしょうか?
 そうすれば、心の衰えを防止し進化し続けることが出来るようになります。その前に人の心と体は年齢と共に退化することを知っておいてください。

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