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播磨陰陽師の独り言・第529話「先見の明」

 皆さんに質問です。ゾンビ映画・辛子明太子・柿の種の共通点は何でしょうか?
 答えは著作権を主張しなかったことです。
 世界中で作られている最初のゾンビ映画は、うっかり著作権を主張し忘れて上映されました。その結果、誰でもゾンビ映画を作って良いことになってしまい、ドラマ『ウォーキング・デッド』やゲーム『バイオハザード』が流行った訳です。アニメの『ゾン100』も面白いです。
 柿の種も著作権を主張しなかったもののひとつです。そのおかげで、色々な柿の種を食べることが出来る訳です。
 実は最初の柿の種は丸かったそうです。それが、奥さんが型を踏んでしまって、今の形になりました。金型を作り直すのには予算がなかったので、どうしたものかと考えたあげく、柿の種と名付けて売り出した訳です。それが大ヒット。不幸中の幸いですね。やがてピーナッツと一緒になって、またまた大ヒット。世の中は何が流行るか分かりませんね。
 辛子明太子も同じような過程を経て売り出されました。
 そう言えば、下関の河豚ふぐも著作権と言うか、作り方を街の皆でシェアして教え合ったそうです。地元では〈ふく〉と言います。河豚は明治になってから解禁になりました。その時、毒の位置や詳しい捌き方を地元の料理店で研究し合い、これからの世の中を考えて教え合ったそうです。この先見の明でお陰で、今の下関ブランドがある訳です。でも、ブランド化し過ぎて、門司港に来た方が河豚は安いですけど。
 これらは皆、著作権とか意識もしてなかったので、多くの人たちに真似されました。それで世の中に知られて流行った訳です。
 一方、著作権で縛って囲い込みをしたオンデマンド配信があります。当然、世界に知られない作品ばかりになりました。dストアで配信されているアニメーションは、その中でのみの順位が決まっていて、世界の多くの人たちは知らないので流行りようありません。
 しかも、私が住んでいる北九州市は、そんなローカル配信しかしていないアニメーションを街づくりに活用しようと言い出したようです。
 アニメの『ブルバスター』と言う作品をご存知ですか?
 多くの方は知らないと思います。その作品に登場するロボットを実際に作るとか、このアニメの聖地として北九州市を紹介するとか言ってました。一応、見てみましたが、先見の明とは対局の世界な感じ……。

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