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播磨陰陽師の独り言・第495話「最近分かったこと〈前編〉」

 わが国の歴史の初期の頃を〈縄文時代〉と呼んでいます。これは縄文式土器が出土していることによる命名で、昔からそう呼ばれていた訳ではありません。われわれは縄文時代のことを物部の時代だと伝えています。
 それはさておき、学校では、
——縄文時代の終わり頃、朝鮮半島から稲作が伝わって来て弥生時代がはじまった。
 と言うようなことを習いました。まぁ表現は諸説ありますが、最近の科学では縄文時代にすでに稲作があったことが証明されています。
 そんなことは科学がどうこう言う以前の問題だと思います。と言うのは、稲がなかったら縄文式土器は造れないからです。稲を使って造った土器が出土している以上、誰が考えても分かることだと思います。
 そう言うと、
「米ではない植物のわらを使って造ったのでは?」
 と言う人もいます。しかし、考えてください。米を食べるから大量に稲藁が出るのです。
 それを、
——捨ててしまうくらいなら何かに利用しよう。
 と考え縄文式土器が造られたのであって、米以外の藁は考えられないのです。わざわざ食べもしない植物を育てて、その藁を採取し土器を造るなどありえません。生活に余裕のない時代のことですから……。
 日本特産のジャポニカ米のDNAを調べてみると、東南アジアからわが国に伝わり、そこから朝鮮半島を経由して大陸に広まったことが判明しました。
 稲作は、朝鮮半島からもたらされたものではなく、わが国が朝鮮半島へ伝えたものです。

 また、
——昔は文字がなく、大陸から伝わった。
 と習いました。しかしこれも違っていたようです。と言うのは、縄文式土器の縄の跡が文字だと言う説が出て来たからです。縄文式土器の中には模様のない物が含まれています。それらは食器として使われていたようです。
 皆さんがご存知の縄文模様の入った物は、主に儀式などで使われていました。新しい学説によると、あの模様は文字として付けられており、用途や神の名を表していると言われています。この文字は平面に書かれた文字とは違い立体的に構成され、平面よりも深い意味や思想を表しているそうです。中編に続く。

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