1月1日 書初め

2020年がついに明けた。でも、だからといって世界が急に変わるわけではない。昨日までの日常が急に非日常になりはじめた1年間を過ごしてきた我々が、今日という日でその非日常から解放されるわけではない。なんなら、あの時から始まった非日常がもはや日常化しつつある。

それでも、1日1日進んでいて、2020年という1年は暦上終わりを告げた。「2020」なんだか綺麗な数字だった1年は希望に満ちたものではなく、悲しくて寂しくてでもどこか人間が繋がりを求めるように、這いつくばった一年になった気がする。ボロボロになった中にも希望はあって前に進むしかなくて、世界はその中で少しずつ変わっていた

2021年はまだ始まったばっかりだ。

でも今の私たちはこの1年に希望を見出せるのだろうか?一年の始まりに、今年の目標を立て決起する気持ちが今年はあるのだろうか。

そう思いながら2021年の1月1日をただ過ごした。ドラマを見て携帯をいじって、本を読んで。いつもと変わらないのんびりした贅沢な1日を過ごした。

でもそうしているうちに自分の中にちょっとした焦燥感がうまれた。わたしこのままでいいのかなって。

わたしは、自分がとんでもなく幸せな人間だと思っている。世間の人が欲しいものはきっとほとんど手にしてきた

それなのに物足りなくて、それなのに不自由な気がして、それなのに焦っている 失うことを恐れている

2020年コロナが流行したことはかえってわたしが欲しかったものを与えてくれた。

家族も優しさものんびりとした時間も、ひとりで何かに打ち込む時間も

贅沢なわたしはあの1年を謳歌した

そして、そんなわたしは2021年を焦りと同時にスタートさせた

友人や芸能人のゴシップに一喜一憂する。わたしもこうなりたい なんて思う。

友人はみんなすごいキラキラしていて将来があるように思う、自分は対して何もなく終わるんじゃないかという焦りが湧いてくる

わたしは幸せなのだろうか

いちいちこんなことに悩んでいて幸せなのだろうか

好きなものを好きなだけ そんな生活ができないことはわかっている 自分の情けない弱みを理解したつもりでもいる でもだからこそ全てをその弱さに押しつけて言い訳してきた 

きっと

わたしが世界でいちばん幸せだ って思えばもう幸せなんだ

誰かと比べている時点でもう幸せじゃないんだ

わたしの幸せはわたしが気づいて大切に守るしかない

わたしの幸せはわたしが作るしかない

きっとそうなんだと思う

今のわたしは幸せ 他の人と比べる必要がない

言葉にするのは簡単でなのに、意識しないのはとても難しい、難しいけれど わたしはこの1年を「他人と比較しない幸せ」に捧げたいと思う

- 凪良ゆう『流浪の月』をよんで


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