プレミアリーグシーズンレビュー 下位5チーム編

はじめに

こんにちは。久々のnote更新です。
イングリッシュプレミアリーグが好きでたまたまこのページを開いてしまった方に向けて自己紹介をすると、私はクリスタルパレスファンの大学生です。中学生年代の指導者をやっております。

オンライン授業の恩恵を受けて時間の使い方が自由になったことで、プレミアリーグ全380試合をフルマッチ観戦しようと思い立って今シーズンに臨みました。

今回はまず12位のニューカッスル以下の9チームです。

それでは順に振り返って行きます!

シェフィールドユナイテッド(20位 勝ち点23)

・ディフェンスラインの不安定な人選

昨シーズンの好調の要因は間違いなくオコンネル、イーガン、バシャムのハードな守備とCBオーバーラップが猛威を振るった事。しかし、オコンネルが大怪我で出場は2試合に留まり、その穴を埋める絶対的な存在は現れなかった。

・攻撃の力不足

前進、フィニッシュ双方に問題を抱えていた。まず、ノーウッドが昨シーズンほどのパフォーマンスを見せられずダイナミックな攻撃が減った。また、マクゴールドリックが降りてきて組み立てに参加するも、その分生じたスペースを誰かが使うでもなくただ渋滞を引き起こしていた。
ストライカー不在も響いた。数少ないチャンスが訪れてもバークはオールドトラッフォードでの1ゴール、ブリュースターに至っては未だノーゴールだ。

・トランジションの質

昨シーズンは攻守に人数をかけて、サイドでオーバーロードを起こすような形でチームとしての強度を高めていたが今シーズンの、特に中盤戦以降はポジトラでボールホルダーを追い越す人数も、ネガトラで全力で戻る人数、ボールホルダーにプレッシャーをかける人数も全て少なかった。

・総括

既に昨シーズンのロックダウン明けに露呈していた様に、CBオーバーラップは目新しさを失っていた。鉄壁の3バック+ゴールキーパーも解体を余儀なくされ、次第に強度や集中力が低下してしまった。

ウェストブロム(19位 勝ち点26)

・撤退?保持?

特徴を見るとテクニックのある選手が多く、相手との力関係を考えなければクローズドに保持局面を増やしたいところだった。しかし、残念ながら多くのチームはバギーズよりも保持に優れている。ここがビリッチのアプローチが中途半端に終わった理由であろう。

だが、このチームの致命的な欠陥として自陣エリア内での守備が挙げられる。引き込んでロングボールを放り込まれることを、特にアラダイス就任以後は許容したが、セットプレー含め跳ね返す力、セカンドボールを拾う力が著しく低いのだ。

結局のところプレミアリーグでの最適な振る舞いを見つけることが最後まで見つけることができなかった。

・トランジションの質

とにかくサイドにスピードのある選手がいない。せっかく引き込んでも効果的なロングカウンターを繰り出せないようでは勝ち筋は薄くなってしまう。

中央においてはギャラガーやヨクシュルが高いボール奪取能力を見せていたが、前述の通りテクニック系が中心でカウンターには移行できない場面が多く見られた。

・総括

選手のキャラクター、戦い方、ビッグサムを選んだこと。全てが噛み合わずに降格が決まってしまった。ただ、特に中盤の選手達はプレミアリーグで通用するだけのものを持った面白い選手が多かった。

フラム(18位 勝ち点28)

・クローズド?オープン?

パーカー監督は丁寧な前進を志していたようだし、ディフェンス陣(特にアンデルセン)はそれなりにそれなりに対応出来ていた様に思える。しかし、中盤のキャラクターはどうか。細かく動かしてリズムを作るプレーヤーというよりも大きな展開力が持ち味の選手が多くじっくりとファイナルサードを崩す、という戦い方には不向きであったように思える。

サイドに走力のある選手が多く、ルックマンのドリブルも脅威になっていただけに、もう少しトランジションの際の予防的カバーリングを整備したり、サイドの深いゾーンを取った後の崩しが出来れば残留できたはずだ。

・ストライカー

サイドが取れるのに得点力不足に泣いた理由の最大の理由はここだろう。ミトロヴィッチのパフォーマンスはお世辞にも良いとは言えず、マジャもグディソンパークでのゲームぐらいでしか結果は残せなかった。

・総括

シーズンを通して人選を固定出来ず、3バックで好調な時期もあったが勝ちきれず、4バックに変更後もチームとしての課題は変わらず。選手たちの質は決して低くなく圧倒される試合は少ないが、ゴール前での弱さを露呈してしまった。

バーンリー(17位 勝ち点39)

・アグレッシブ!but雑に

昨年まではより手堅く、442の陣形を崩さずにスペースを守るやり方だったように記憶している。(前提が違っていたら申し訳ない。)今季の彼らはボールや人に対してかなり強く圧をかけ、その結果スペースに穴を開けてしまう場面が見受けられた。アンフィールドで勝ったゲームは例外的に今までのらしさが発揮されていたが、基本的に他の勝利はプレス耐性のないチームから挙げたもの。

・来季危ない?

後述のパレス同様、選手層が薄く高齢化しているチームであるだけにどこかで変革は必要になる。今季も、ミー、タルコウスキ、ポープが揃ってこそ堅守が発揮されていた。ブロックの堅さを取り戻すか新戦力を発掘しないと降格はかなり現実味のある話になるだろう。

ブライトン(16位 勝ち点41)

・xGの優秀な数値

今季の彼らはxG上では多くの勝ち点を取っていたはず、なのに現実は残留争いという見られ方をしていた。しかし、「良い内容」で会ったことは否定しないが「本来〇〇位だった」という言い方には違和感を覚える。

・得点力不足

彼らの攻撃は意外性や迫力に欠ける。綺麗に崩してボックス付近で撃たれても、タイミングやコースなど予測可能なものは多かった。また、スローダウンさせた展開で保持の時間を長くする(私はこれを守備のためのポジショナルプレーと呼んでいる)以上、当然被xGは下がる。その裏返しとして迫力は失ってしまった。

つまり、不確定要素を排除する、そして自分たちの土俵を譲らないことで接戦には持ち込める。しかし質の差を埋める、データに現れない部分のメンタリティや相手が嫌がる積極性は失ったチームのように見えた。得点を挙げるためにはある程度のカオスや雑さが必要なのではないか。

今回はここまで。次回は11位〜15位の5チームです。



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